環境未来都市・横浜を彩る「ほのかな夜景」

Posted : 2013.11.08
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横浜の街中に「光のアート」が出現し、新たな夜景を楽しむイベントが定着し始めている。「スマートイルミネーション横浜」だ。象の鼻パークを中心とした臨港エリアをメイン会場に、展示やイベントでにぎわいを見せたスマートイルミの現場を、さっそくレポート!

点灯式に登壇したアジア初上陸のアーティスト集団Numen/For Use、林・横浜市長ら

今年で3回目の開催を迎えた「スマートイルミネーション横浜2013」では、10月23日~27日の5日間にわたって、約30作品の展示・インスタレーションと、約30のイベント・ワークショップがプログラムされた。台風の影響で多くのプログラムに中止や変更が生じてしまったものの、市外からも多くの来場者が夜の横浜をめぐった。今年はこれまでよりも規模を拡大し、「初○○」がたくさんお目見え。海外アーティストの参加や、黄金町・日ノ出町や横浜駅周辺へのエリア拡大、スマートイルミネーション・アワードの実施、そして緑区の里山地域での「スマートイルミネーション新治」(11月1日~4日)初開催などなど。スマートイルミネーションがじわじわと横浜じゅうに浸透しつつあるのを、実感した方も多いのでは?

「夜景」を楽しんでもらうことだけではないところに、このアートイベントの可能性がある。「スマート」を冠するイベント名は、これからの時代に私たちが考えていかなければならない“省エネ”とアートのもつ創造性がテーマであることを象徴している。アートディレクターの岡田勉さんは、コンセプトについてこんな風に語る。

「衛星写真で見ると、どんな国でも都市部だけがすごく明るいんですよね。日本の場合はほとんど全部が明るい。その中で、横浜だけはぼんやりと暗く“ほのかな灯り”が見える…。そんな景色をいつかみんなでつくり出すことに、夢があると思いませんか? スマートイルミネーションは、ただ楽しいだけのイベントじゃない。アーティストにはクリエイティブな力がある。彼らが作り出す光の風景は、「気づき」と共に人々の記憶に残るんです。その経験をきっかけに、“省エネ”について一人ひとりが意識し、話し合うようになることを目指しています。そのために、横浜で活動する多くの人たちと連携する。みんなの力が必要です。」

停泊した船から供給される電力と、太陽光発電パネルの一体型LEDを使い巨大なインスタレーションを制作した藤本隆行

2011年に発生した東日本大震災以降スタートした「スマートイルミネーション横浜」。作品にはLEDや太陽光発電をはじめとした代替エネルギーや、キャンドルの光などを多く活用している。今年は「みんなでつくる横浜夜景」をテーマに掲げた。企業、施設、団体、大学、市民など、さまざまな主体が参加したことは、省エネ×アートのムーブメントが横浜で着実に根付きつつあることを物語っている。参加型の作品展示やイベントを親子が楽しむ姿もあちらこちらで目にした5日間。人々の心をつかむプログラムづくりの舞台裏には、“省エネ”への試行錯誤が詰まっている。

 

「点灯式」で幕開け!
l.tentou2 横浜音祭り2013連携イベント
スマートイルミネーション横浜2013点灯式
日時:10月23日(水)18時~ 会場:象の鼻パーク

「みんなでつくる横浜夜景」市民団体や大学と連携したプログラムも充実!
l.smart dance party SMART DANCE PARTY!!!
日時:10月25日(金)19時~
会場:象の鼻テラス
l.DSC_0950 横浜音祭り2013連携イベント カナデルヒカリ×横浜音祭りドラムサークル
日時:10月26日(土)17時~
会場:象の鼻テラス
 
“創造界隈”との連携―魅力的なプログラムが集中した5日間
l.kekkon1 あかるい結婚
日時:10月26日(土)20時~
会場:象の鼻テラス、大さん橋 屋上
 l.5windows 漂流する映画館“Cinema de Nomad”『5 windows』再演 
日時:10月23日(水)~27日(日)17時~22時
会場:シネマ・ジャック&ベティ、nitehi works、伊勢佐木商店街三丁目・四丁目他
 quiet day off-Nibroll/ミクニヤナイハラプロジェクト『静かな一日』  
展示期間:10月23日(水)~27日(日)17時~22時
演劇:10月24日(木)、26日(土)、27日(日)    会場:黄金町スタジオSite C
  
今年初となるアワードを実施!栄えある受賞者は…
l.award2 スマートイルミネーション・アワード  
展示期間:10月23日(水)~27日(日)17時~22時
会場:象の鼻パーク

光が彩った横浜夜景(フォトギャラリー) 
l.DSC_1543 展示・インスタレーション
展示期間:10月23日(水)~27日(日)17時~22時

 

今年はオーストラリアの夜景イベント「Vivid Sydney」のディレクターを招いたトーク・プログラムも実現した。アートディレクターの岡田さんは、海外との継続的な連携も見据えている。

「海外の夜景イベントは、年々予算の増加に比例して、何かをプラスしていく発想はあるんだけど、引き算の発想はないんです。けれども横浜には、どれだけ既存の電力を使わずに、生活を変えていくことが出来るかを考える、引き算の発想がある。そういった点では、海外のイベントには無い可能性を持っていると思います。アーティストの力とともに、官民が連携して、横浜の魅力を引き出していきたいと思っています。」

衛星写真で見た横浜に“ほのかな灯り”が灯るのを見る日まで、スマートイルミネーションの挑戦は続く。横浜に出現した光のアートを思い出したら、私たちの生活とは切り離せない“エネルギー”について、まずは身近に居る人とともに思考をはじめよう。