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手のひらサイズのプレートに糸や布を織り込んでいくだけで、簡単に丸くてかわいい織物が完成する「まるイロ」。これまでのスローレーベルのプロダクトにはない、道具や製法をアーティストが開発するという新しい試みに挑戦した井上唯さんに、アーティストから見たスローレーベルについてお聞きしました。
手の中におさまる小さな織機、「まるイロ」が生まれた理由
普段はアーティストとして作品制作を行っている井上さんが、なぜスローレーベルの「プロダクト」に関わることになったのか?きっかけからお聞きします。
みんなで作る大きな「まるイロ」
藍染めを作る障碍者とのコラボ
まるイロで関係の深まった井上さんとスローレーベル。新たなプロジェクトにも取り組み、12月25日には新プロダクトのお披露目もあるそうです。
進行中の徳島発のスローレーベルプロダクトを制作するプロジェクトに参加しています。藍染めを作る障碍者施設とコラボレーションしているのですが、障碍者の方たちが作っているものの中には、ものすごく素敵だったり、衝撃的に面白かったりと、理屈抜きでいいな!と思う表現が多くて。また、作業するところを見ていると、それぞれの人にその人なりのリズムのようなものがあって。私たちはついつい頭でコンセプトとか考えながら手を動かしてしまいますけど、きっと自分の身体のリズムや欲求に純粋であるからこそ生みだせるものなのかもしれません。そうしたところは圧倒的にかなわないなと思うと同時に、とてもいい刺激になっています。
逆に商品を開発していくうえで盲点だったのは、当然、施設の担当の方に間にはいっていただくので、どうしても常識というフィルターが入ってしまうということ。こちらが面白いなと思った個性を、なるべくダイレクトに引き出すにはどうしたらいいかということは、今後関わらせていただくときの課題かもしれません。
今後、スローレーベルに期待すること
アーティストとしての目線から、スローレーベルを理解し関わる井上さんが、スローレーベルに望むこととは?
以前に、瀬戸内海の島や徳島の集落などへ滞在制作で訪れている時から、おじいちゃんやおばあちゃんたちが持っている「知恵」みたいなものに興味があって、そういうことと作品制作をつなげていけたら面白いなと思っていまして。味噌作りってたいへんだけど、みんなで集まってワイワイやりながらやれば楽しいし、技も受け継がれていく…そんなみんなで何かをしながら知恵と技を共有していく場が作れるんじゃないかと。そういうこともスローレーベルだったらユニークで面白い提示の仕方で実現できるんじゃないかなと思っています。

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●Profile アーティスト井上唯さん 愛知県出身。愛知教育大学造形文化コース卒業。金沢美術工芸大学大学院染織コース修了。”織” から始まった興味が、次第に空間へと広がり、特定の場に対してモノをつくることにおもしろさを感じるようになる。また移動生活を楽しむ一方で、ひとつの土地に根差してしかできないことがあることに気づき、湖と山と川に惹かれ滋賀県に移り住む。生活のなかでやりたいことと、制作とが繋がってくるとおもしろいなと思っている。 |
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