横浜赤レンガ倉庫1号館で新版『横浜ローザ』が開幕

Posted : 2019.05.30
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横浜の昭和史の一つ「ハマのメリーさん」。白いドレスに身を包み、白粉で化粧をした姿で晩年まで横浜の繁華街に立ち続けた老娼婦とされる。半ば伝説化した彼女が世を去った後、多くのアーティストたちが、写真や演劇、映画、書籍、美術などを通じて彼女を描き、今なお新たな表現が生み出されている。

 

その一つが、メリーさんを題材とした一人芝居『横浜ローザ』だ。この舞台は、1996年初演以来、女優の五大路子さんがライフワークとして23年間、演じ続けている。横浜をはじめ日本各地での公演、2015年のニューヨーク公演と回を重ねるごとに深みを増す演技と進化し続ける舞台は、多くの観客を魅了。今回、大正、昭和、平成を生きた一人の女性の物語が、令和を迎え新たな演出で新版『横浜ローザ』として5月31日(金)~6月4日(火)、横浜赤レンガ倉庫で上演される。

 

(c)AMANO STUDIO

 

令和に時代を移しても、五大さんの思いは変わらない。「今、このとき彼女が生きていたら何を思ったのか?」「なぜ、彼女は戦後、横浜の街で生き続けたのか?」その問いかけの連続だという。

会期中の2019年6月2日は、横浜港の開港を祝う160周年目の記念日。会場となる横浜赤レンガ倉庫は、今や観光名所として多くの人で賑わうが、その昔は貿易港として日本の経済を支えた横浜の中心であった。
横浜は、開港から現代まで国家に強く影響を受けてきた歴史を持つ。日米修好通商条約締結後の1859年、わずかな人しか住んでいなかった漁村に港が開かれ、そこから日本の近代化、国際化と共に急速に発展し国際港都横浜となった。終戦後は市内の多くの土地がアメリカ軍に接収され、その一部は現在まで続いている。横浜の都心臨海部は、こうして”大きな歴史”の流れでつくられてきた。

ただ、関東大震災からの復興、第二次世界大戦の戦禍からの復興と二度の大きな災難から立ちあがれたのは、街で暮らす人の力によるところが大きい。歴史の渦の中で懸命に生きる人の営み、この“小さな歴史”が本当の意味で市民が誇りに思う港町・横浜の歴史であり、メリーさんの人生もまたその一幕である。多くのアーティストたちの心を強く惹きつけるのは、メリーさん自身に加え、彼女が生きてきた“横浜”でもあるのだろう。

時代が大きく様変わりする中、五大さんの演じるローザは、今を生きる私達に何を語るのか。新版『横浜ローザ』は、本日より横浜赤レンガ倉庫1号館にて幕を上げる。


「五大路子ひとり芝居 横浜ローザ 赤い靴の娼婦の伝説」

企画・出演/五大路子
作/杉山義法 
演出/西川信廣
スペシャルゲスト/杉山葉子(フルート)

2019年5月31日(金)18:00開演
2019 年6月1日(土)14:00開演
2019年6月2日(日)14:00開演
2019年6月3日(月)14:00開演
2019年6月4日(火)14:00開演
*2019年5月31日10時現在、5月31日を除き完売。
当日券の販売については、下記お問合せ先まで。

≪会場≫ 横浜赤レンガ倉庫1号館 3階ホール

≪チケット≫ ※全席指定 ※未就学児童入場不可
一般前売 5,000円(当日5,500円)
学生前売 3,000円(当日3,500円)

チケット販売所
横浜夢座事務局 045-661-0623
ローソン(Lコード:33569)
ぴあ(Pコード:492-491)

チケットのお申込み・お問合せ :横浜夢座事務局 045-661-0623