審査甘い銀行カードローンってあるの?

銀行カードローンは消費者金融と比較して低金利というメリットがありますが、その分審査基準は厳格です。

銀行法に基づいて厳密な審査が行われ、過剰な貸付は禁止されているため、「審査が甘い銀行カードローン」は存在しません。

金融庁の指導により2017年以降、審査体制は一層強化されており、返済能力の確認や多重債務防止の観点から、収入証明書の確認や他社借入状況の精査が徹底されています。

銀行のカードローンで審査の甘いものはない

銀行カードローンは銀行法に基づく厳格な審査基準があり、消費者金融などと比べて審査難易度は高めに設定されています。

これは利用者保護の観点から、返済能力を超えた貸付を防ぐためです。

2017年3月には金融庁の指導により、広告規制の強化や収入証明書の確認徹底、他社借入状況の把握、年収に対する借入額の比率管理など、審査体制が大幅に見直されました。

多重債務問題の防止や利用者の返済能力確認を重視する観点から、銀行カードローンの審査基準は一律に厳格化されており、審査が甘い商品は存在しないと言えます。

①銀行の厳しい審査体制

銀行カードローンの審査は銀行法に基づいて実施され、消費者金融に適用される貸金業法とは異なる厳格な基準が設けられています。

金融庁は2017年3月に「銀行カードローン検査・中間とりまとめ」を発表し、審査体制の強化を図りました。具体的には、過度な広告宣伝の抑制、収入証明書確認の厳格化、総借入額の把握、年収対比での借入額管理などが定められました。

また、保証会社との連携による審査精度の向上や、貸付実行後の利用者の信用状況モニタリングも強化されています。

銀行は個人の返済能力を正確に把握し、多重債務防止の観点から慎重な審査を行うことが求められており、これらの基準は全ての銀行カードローンに適用されています。

②「金利が低い=審査が厳しい」ことの理由

銀行カードローンが消費者金融などのノンバンクと比べて審査基準が厳しい背景には、金利設定と密接な関係があります。

低金利商品は貸し手にとって利息収入が少なく、返済遅延や債務不履行が発生した場合の損失リスクが相対的に大きくなります。

督促費用や貸倒れリスクを考慮すると、低金利商品では審査基準を厳格にせざるを得ません。一方、消費者金融は高金利設定により、一定の貸倒れリスクを織り込んだビジネスモデルを採用しています。

このように、金利水準と審査基準には強い相関関係があり、低金利の銀行カードローンでは必然的に審査が厳格になる仕組みとなっています。

③銀行のカードローンの審査に通る人・通らない人

銀行カードローンの審査基準は、申込者の返済能力と信用力を総合的に判断するものです。

審査に通過しやすい要件としては、安定した収入がある正社員で、過去の借入返済に延滞歴がなく、他社借入も年収に対して適正な水準である場合が挙げられます。

一方、審査に通りにくい要件としては、クレジットカードの返済遅延歴がある場合や、収入が不安定な場合、多重債務の履歴がある場合などが挙げられます。また、年収に対して既存の借入額が多い場合も、新規の借入は困難です。

ただし、これらは一般的な傾向であり、銀行によって具体的な審査基準は異なります。申込者の総合的な返済能力と信用力が重視され、単一の要素だけで判断されるわけではありません。

借りやすい銀行のカードローンの特徴

銀行カードローンにも、比較的審査に通りやすい特徴を持つ商品があります。

一般的に、金利が市場平均より高めに設定されている商品や、消費者金融が保証会社となっている商品、複数の保証会社による審査体制を採用している商品などが、審査のハードルが低めとされています。

ただし、これは銀行法に基づく基本的な審査基準が緩和されているわけではなく、あくまでも相対的な比較であることに注意が必要です。

金利や保証会社の特徴を理解したうえで、自身の条件に合った商品を選択することが重要です。

①銀行カードローンは金利が高め

銀行カードローンの中でも、金利が比較的高めに設定されている商品は、審査基準がやや緩和される傾向にあります。

これは金利が高いことで、貸し手側のリスク許容度が上がるためです。一般的な銀行カードローンの年利が3%台から10%台前半であるのに対し、14%前後の金利設定がある商品は、比較的審査に通りやすいとされています。

ただし、高金利設定の商品であっても、基本的な審査基準は維持されており、返済能力や信用情報に問題がある場合は審査に通過できません。また、限度額も低めに設定されることが多く、利用者の返済能力に応じて慎重に融資額が決定されます。

②保証会社として消費者金融が対応

消費者金融が保証会社となっている銀行カードローンは、個人向け融資の豊富な審査経験を活かした柔軟な審査基準を採用していることがあります。

アコムやSMBCコンシューマーファイナンスなどが保証会社となっている商品では、従来の銀行系保証会社よりも実態に即した審査が行われる傾向にあります。

消費者金融は個人向け融資の専門家として、膨大なデータと審査ノウハウを持っており、より実践的な与信判断が可能です。

ただし、これは審査が甘いということではなく、より精緻な与信判断が可能という意味であり、返済能力に問題がある場合は当然審査に通過できません。

③保証会社が複数ある

複数の保証会社が審査を行う銀行カードローンは、単独の保証会社による審査と比べて承認される可能性が高まります。

通常、銀行系保証会社と消費者金融系保証会社の2社が設定されており、1社目で否決された場合でも、自動的に2社目の審査に移行する仕組みになっています。これにより、異なる審査基準での判断機会が増え、承認される可能性が高まります。

特に地方銀行のカードローンでは、3社の保証会社を設定しているケースもあり、より柔軟な審査対応が期待できます。

ただし、いずれの保証会社も基本的な審査基準は維持しており、返済能力や信用情報に重大な問題がある場合は、すべての保証会社で否決される可能性が高いことに注意が必要です。

審査に自信がない人向けの銀行カードローン

返済能力や属性に不安がある場合でも、メガバンクのカードローンは意外にも審査に通りやすい傾向があります。

特に、三菱UFJ銀行「バンクイック」やみずほ銀行のカードローンは、年収や雇用形態などの条件が他行と比べて柔軟です。ただし、ネットバンクは逆に属性審査が厳格な傾向にあるため、慎重な検討が必要です。

返済能力がしっかりとある場合は、選択肢は広がり、より有利な条件での借入が可能となります。

①属性が弱いなら三菱UFJ銀行「バンクイック」

三菱UFJ銀行の「バンクイック」は、個人属性が比較的弱い申込者でも審査に通過するケースが多いことが、各種調査で明らかになっています。

年収200万円程度のアルバイト収入でも、他社借入が2件程度までであれば審査に通過する可能性があります。ただし、この場合の限度額は抑えめに設定されます。メガバンクでありながら、比較的柔軟な審査基準を採用している背景には、保証会社であるアコムの審査ノウハウが活かされていることが考えられます。

特に、メインバンクとして利用している場合は、取引実績が評価され、審査に有利に働く可能性があります。

②年収が低いならみずほ銀行カードローン

みずほ銀行のカードローンは、年収が低めの申込者でも審査に通過する可能性があります。

特に、親と同居している若年層や、配偶者の扶養家族である専業主婦などは、年収が100万円台でも審査に通過するケースがあります。ただし、生活基盤が安定していることが前提で、一人暮らしで年収が低い場合は審査通過が困難です。

審査に通過した場合でも、金利は14%程度と比較的高めで、限度額も10~20万円程度と低めに設定されることが一般的です。これは、返済能力に応じたリスク管理の一環として捉えることができます。

③ネットバンクは意外に属性重視なので注意

ネットバンクは、一見すると審査基準が緩いように思われがちですが、実際には属性審査が厳格な傾向にあります。

楽天銀行やPayPay銀行、イオン銀行などは、年収条件や他社借入状況において、メガバンク以上に厳しい審査基準を設けていることが多くあります。これは、対面取引がないことによるリスク管理の一環として理解できます。

実際、ネットバンクの審査で否決された後、メガバンクの審査に通過するケースも少なくありません。ネットバンクの審査に申し込む場合は、属性面での要件を十分に確認することが重要です。

④返済能力があれば選択肢は増える

返済能力が十分にある申込者は、銀行カードローンの選択肢が広がります。

具体的には、年収200万円以上の正社員、または安定収入のある配偶者がいる場合で、他社借入が2件以下かつ信用情報に問題がない場合は、多くの銀行カードローンの審査に通過する可能性が高まります。

特に、メインバンクとして利用している銀行のカードローンであれば、取引実績が評価され、より有利な条件での借入が可能となることがあります。

ただし、他社借入がある場合は、年収に対する総借入額の比率が重要な判断要素となります。

地方銀行ならチャンスあり?

地方銀行のカードローンは、必ずしも審査が甘いわけではありません。

むしろ、保証会社による審査基準は大手銀行と同様の厳格さを持っています。ただし、地方銀行ならではの特徴として、複数の保証会社による審査体制を採用していることや、地域密着型の顧客評価を行っているケースもあります。

重要なのは、単に地方銀行だからという理由で審査が通りやすいと考えるのではなく、各行の特徴や保証会社の体制を理解したうえで、自身の条件に合った商品を選択することです。

①地方銀行だから審査が手抜きとはならない

地方銀行のカードローン審査は、大手銀行と同様の厳格な基準で実施されています。

これは、審査業務を委託している保証会社が、大手銀行と同じ審査システムや基準を使用しているためです。保証会社にとって、地方銀行か大手銀行かによって審査基準を変える合理的な理由はなく、リスク管理の観点からも同一の基準で審査を行うことが一般的です。

むしろ、地方銀行のカードローンは低金利商品が多いため、保証会社としてはより慎重な審査を行う傾向にあります。申込者の返済能力や信用力は、銀行の規模に関係なく、同じ基準で評価されることを理解しておく必要があります。

②地方銀行と保証会社の関係

地方銀行のカードローンは、保証会社にとってむしろリスクが高い商品と位置付けられています。その理由は、低金利設定による収益性の低さと、代位弁済リスクの高さにあります。

地方銀行は個人向けローン審査のノウハウが限られているため、消費者金融や信販会社などの専門的な保証会社に審査業務を委託しています。

保証会社は代位弁済のリスクを負うため、低金利商品の審査には特に慎重になります。地方銀行側は保証会社があることでリスクが軽減されますが、保証会社からすれば低金利による収益性の低さと代位弁済リスクの両面で負担が大きくなります。

そのため、むしろ大手銀行以上に厳格な審査を行うケースもあり、安易に「地方銀行なら審査が通りやすい」と考えることは適切ではありません。

③保証会社に目を向けよう

地方銀行のカードローン審査に不安がある場合は、その保証会社が提供している独自のカードローンを検討する方法があります。

保証会社は銀行からの保証料収入よりも、自社カードローンの利息収入のほうが収益性が高いため、審査基準をやや緩和する傾向があります。例えば、アコムは多くの地方銀行のカードローン保証を行っていますが、アコム独自のカードローンのほうが審査基準は柔軟です。

北海道銀行や青森銀行、岩手銀行など、アコムが保証会社となっている地方銀行のカードローンよりも、アコム自体のカードローンを検討するほうが、審査通過の可能性が高まる場合があります。

まとめ

銀行カードローンの審査は、基本的に厳格な基準で実施されており、「審査が甘い」商品は存在しません。

ただし、金利設定や保証会社の特徴、複数保証会社による審査体制など、商品によって審査の柔軟性には違いがあります。特に、メインバンクとして利用している銀行のカードローンは、取引実績が評価されるため、審査に有利に働く可能性があります。

申込時は、単に「審査が通りやすそう」という理由だけでなく、自身の返済能力や取引実績を踏まえて、適切な商品を選択することが重要です。

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