横浜中華街や元町の最寄り駅、JR石川町駅からのびる「ひらがな商店街」は、下町の雰囲気が残るエリア。駄菓子屋や銭湯が立ち並び、最近では絵本カフェや立ち飲みワインバーもオープンし、新たなにぎわいを見せている。
今回は、この商店街で2006年より4 歳から6 歳までの幼児と小学生を対象としたこども造形教室「ドゥイ」の仕事場をご紹介。ドゥイは小野亞斗子(おの あとこ)さんと轟岳(とどろき がく)さんの二人によるユニットで、教室以外にも展覧会の空間造形や舞台美術、各地でワークショップを手掛けるなど幅広い活動を展開している。
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―創作の場は元クリーニング店の建物―
「教室を開く場所を色々と探し歩いている時、いつも通りかかるこの建物が気になっていました。扉は閉まっていて中は使われていなかったようでしたが、ちょうどその時に決まりかけていた物件がダメになってしまった事もあり、思い切ってここの大家さんに直接交渉してみようと」
「当時はクリーニング店が廃業したままの状態で、物置として使われていましたが、造形教室を開くため、自分達で片付けや改装をしたい旨を伝えると、大家さんも快くオッケーしてくださいました」
― 子どもの感覚、発見を大切に ―
ドゥイのこども造形教室では、こどもたちのひらめきや即興性を大切にした「クリエイティブな遊びの時間」を研究している。決められたものをキチンと上手に作る事よりも、創作の過程と個々の発想やひらめきの面白さを大切にしている。ケガをしないこと、道具を正しく使うこと、もったいない絵の具の出し方をしない…など、基本的なこと以外に、二人が作り方を教えるようなことはない。
10年後の身近な未来を考える「自分の人生ゲーム」や、こどもたちによる手作りの「おまじないグッズ」(同区内の博物館、古着店で年末に販売)など、興味や好奇心が湧き出てくるようなプログラムも魅力的である。
「私たちが興味のあることを “おもしろい”と感じてくれることが多いので、わざわざこどもたちにあわせるようなテーマの選び方はしません(笑)。こどもたちはどう思っているんだろう?と、問いかけることもあります」
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写真左は、手作りの月謝入れ。なんでも、まず自分たちで作ってみる。 足りない部品があれば、子どもたちと一緒に近くのお店まで買い物に行く姿が印象的。
お気に入りの仕事道具
-そのワケとは?-
【 机 】
友人から譲り受けた机。
とても頑丈で使いやすい事と、こども造形教室を始めてからの作業の痕跡が蓄積されているので。
プロフィール
ドゥイのこども造形教室
横浜市中区石川町4丁目158番14号ドゥイ山
http://duilab.com/