横浜みなとみらい21「キング軸」を往く―『キング軸・アートテーブル』で交わす会話とぬくもり

Posted : 2023.01.24
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横浜・みなとみらい21地区にある3つの歩行者空間のひとつ「キング軸」。ここにアーティストや建築家、クリエイターがデザインした「アートテーブル」を置いて、集い楽しもうというアートプロジェクト 『キング軸・アートテーブル』がBankART1929主催で行われた。アートテーブルに込めたアーティストの思いや、行き交う人々がテーブルを囲んで交流する様子を取材した。

キング軸:高島中央公園から海方面をのぞむ(撮影:小野寺忍)

 

「キング軸」ってなに?アートテーブルの目的は?

関内・伊勢佐木町地区と横浜駅周辺地区に二分されていた横浜都心部を一体化させ、企業やショッピング施設・文化施設等を集めることで、働く場や賑わいの場となるように整備されている横浜・みなとみらい21地区*1。地区内には、「キング軸」「クイーン軸」「グランモール軸」という3つの歩行者空間が計画されている。

この3軸については、みなとみらいエリアマネジメントホームページから説明を引用する。


地区内には、桜木町駅方面から海に向かう「クイーン軸」、横浜駅方面から海に向かう「キング軸」、街の中央部でこれらをつなぐ「グランモール軸」の三つの都市軸を主要な歩行者軸とした多様な歩行者空間が整備されています。(中略)快適で回遊性の高い歩行者ネットワークが形成されています。(みなとみらいエリアマネジメント https://www.ymm21.jp/network/pedestrian.html 2023年1月20日参照)


「クイーン軸」「グランモール軸」には、観光的要素が多くあり、知っている人も多いだろうが、今回のプロジェクトの舞台となった「キング軸」は、周辺の整備がまだ進行中なので、あまり知られていないかもしれない。

横浜駅東口および新高島駅周辺のビジネスゾーンと臨港パークやパシフィコ横浜(国際会議場)の並ぶ海側を結ぶ「キング軸」には、みなとみらい線新高島駅周辺のオフィスビル群と、海寄りの高島中央公園・集合住宅エリア、パシフィコ横浜ノース・臨港パークの間など様々な顔があり、2021年11月に、高島中央公園からパシフィコ横浜ノースの横を通る歩道橋「キングモール橋」と複合オフィスビル「横濱ゲートタワー」の完成によって軸としてのつながりができあがった。今回のプロジェクトを主催したBankART1929の運営するスペースの一つBankART Stationは、新高島駅地下コンコースにあり、「キング軸」の真ん中に位置する。このことから、「キング軸」をアートテーブルによって楽しもうという企画が生まれたという。

幅員8m以上のオープンな歩行者空間「キング軸」は、オフィス、研究所、店舗、小学校、公園、マンション、ホテルなど多様な建物の間を貫いている。新高島駅から地上にあがり、東に向きオフィスビルを抜けると、海の気配が漂い始め、西に向きプラネタリウムのある横濱ゲートタワーの2階から続く高架橋で国道(高速道路)を渡ると、横浜駅東口とその周辺地区へ抜ける。
 最近開いたばかりの施設やまだ工事中の場所すらある、この新旧地域をつなぐ「キング軸」上に、アーティストや建築家、クリエイターがデザイン・創作したアートテーブルを置くことにより、「キング軸」を可視化し、多彩な人や地域をつなぎ、まだ知り合っていない人々が集い楽しむのがこのアートプロジェクトの目的だ。

「歩行者ネットワーク図」 画像提供:一般社団法人 横浜みなとみらい21
※画像内の数字は本記事の内容とは関係ありません。また、画像提供をいただいた一般社団法人 横浜みなとみらい21ホームページにおいても、今後数字が変更になる可能性がございます。

 

「キング軸」を楽しむアートテーブルができるまで

 BankART1929が2022年7月~8月にかけて、アートテーブルのデザインアイデアを募集したところ、20作品の応募があった。8月にはBankART Stationで応募作品のコンセプトや、デザイン提案、一部作品模型を展示し、公開審査会が開かれた。

4人の審査員に加えて、「キング軸」周辺の企業に勤める人や近隣住民にも審査の参加が呼びかけられ、9組のアーティストの作品がアートテーブル大賞、各審査員賞、キング軸界隈賞、オーディエンス賞、他に選出された。受賞作品は実際に制作され、3つの期間3つの地域に分けて展示された。

【審査員】(敬称略)
・加茂紀和子:みかんぐみ共同代表、名古屋工業大学教授
・木村絵理子:横浜美術館主任学芸員
・寒川紗代子:資生堂クリエイティブ株式会社アートディレクター
・松本道雄:高島中央公園愛護会会長

【展示期間】
・第1期:10月28日(金)、29日(土) 横濱ゲートタワー、みなとみらい本町小学校周辺
・第2期:11月18日(金)、19日(土) 資生堂グローバルイノベーションセンター (S/PARK)、京急グループ本社ビル周辺
・第3期:11月27日(日) 高島中央公園

BankART1929副代表の秋元康幸さん(1) はこう語る。

BankART1929副代表秋元康幸さん(撮影:小野寺忍)

秋元:BankART Stationの真上を走る「キング軸」を、アートテーブルを置くことで可視化して、人が楽しみや豊かさを感じることができる「人間が住む道=街」を実現したいと考えたんです。「キング軸」の周辺は働く人、学ぶ人、住んでいる人、遊びに来る人など多様な人々の行き交う場所なので、そういう人たちや地域をつなごうと思った。それに、「キング軸」上に位置するBankART Stationもまだまだ知られていないので、文字どおり中心的存在として知ってもらいたいですし。

そもそもは2021年に「公益信託みなとみらい21まちづくりトラスト採択事業」の助成募集に池田修*(前BankART1929代表、2022年3月に急逝)が応募したことがはじまりでした。池田はこうしたアートを通したまちづくり、関係づくりを考えることに長けていましたからね。彼の残した企画が実現となったという意味でも嬉しいです。

この企画の募集当初は、テーブルと屋台のアイデアを募集していたんですが、「テーブル」というテーマに集約したのは、会話によってこそ豊かな道、楽しい道が実現できると思って、行き交う人どうしの会話が生まれることを狙ったからです。

 

3期、3か所にわたってアートテーブルが出現

第1期の10月28日(金)、29日(土)、9つのアートテーブルは横浜駅側の「キング軸」の開始地点にもあたる横濱ゲートタワーとみなとみらい本町小学校周辺に置かれ、通勤・通学の人々に初お目見えとなった。横濱ゲートタワー2階の歩道橋から、横浜駅東口とその周辺地区につながる場所柄、横浜駅に向かう人や小学生たちが足を止めていた。

第2期の11月18日(金)・19日(土)には、資生堂グローバルイノベーションセンター (S/PARK)と京急グループ本社ビルの周辺に登場した。ランチタイムには、オフィスビルや研究所で働く人、「京急ミュージアム」を訪れた親子連れなどが、アートテーブルを使ってランチしたり、おしゃべりしたり、休憩したり、思い思いに楽しむ風景が見られた。

最後にアートテーブルが「キング軸」上に並べられたのは、11月27日(日)、近隣住民などの遊びの場・憩いの場である高島中央公園。この日開催されていた、「みなとみらいParkDay2022秋」(高島中央公園愛護会主催)への出展で、公園の真ん中を通る「キング軸」上にアートテーブルが配置された。秋晴れの空の下、横浜ビールやスパイスカレーの販売、ポニー乗馬体験など、イベントを楽しむ多くの人が、アートテーブルを囲んでいた。

 

アートテーブルに託したアーティストの思い

 ■アートテーブル大賞
『Bamboo Table “King”』 村上素子+山本想太郎

撮影:森本聡

アートテーブル大賞を受賞した、竹細工作家の村上素子さん(2)と建築家の山本想太郎さん(3)との共作による『Bamboo Table “King”』。実際に「キング軸」上で食卓として使われる様子にどんな思いを感じたのか、お二人に聞いた。

山本:アートテーブル大賞をいただけてとても光栄です。「キング軸」は大都会・横浜にあって公園(高島中央公園)も含む歩行者のための空間ですが、その目的ははっきりと決められていないので、この空間を使いこなすための提案をしたいと考えました。それが「都市ピクニック」の提案です。伝統技法によって竹を加工して編み上げたかごと、それを設置する受け台で構成されたテーブルです。かごのなめらかな手触りが自然を感じさせ、ピクニックをしているような感覚を呼び起こします。鉄でできた土台は公園の緑や、あるいは高層のオフィスビルのグレーに映えるように、オレンジ系の赤に塗りました。こうやって食卓として使ってもらってこその作品なので、今日はとても嬉しい機会です。

村上:伝統を現代の生活のなかで活かすことを目指して、岩手県で竹細工をつくっています。今回は山本さんの受け台の設計とやりとりしながらぴったり嵌まるようにと、すず竹を編んでいったのですが、その調整が大変でした。こうして竹細工に手でさわってもらうこと、テーブルの一部として生活のシーンに使ってもらうことで、横浜という都会にあっても自然の大切さや豊かさを感じてもらえると思い、それが嬉しいです。

「Bamboo Table “King”」 村上素子さん(左)と山本想太郎(右)さん(撮影:森本聡)

この『Bamboo Table “King”』の竹かごに資生堂S/PARK Cefeのカレーライスやサンドウィッチを乗せてランチしながら会話をはずませる利用者の姿も見られ、アーティスト二人もその様子を嬉しそうに見守っていた。

 

 ■審査員賞 加茂紀和子賞
『さまよう看板』 似て非works (稲吉稔) 

撮影:森本聡

撮影:稲吉稔(似て非works)

太陽の光をきらきら反射する天板が特徴的な、審査員賞(加茂紀和子賞)を受賞した『さまよう看板』の前には、多くの人が集まっていた。製作者でアートスペース「似て非works(4)を運営する稲吉稔さんにお話を聞いた。

稲吉:このテーブルは、元々は昭和期のビルの袖看板だったんです。役割を終えた看板を横に倒して、町中をさまようテーブルとして変換しました。砕いた廃材ガラスを樹脂で固めた天板の表面は、 ガラスの粒でゴツゴツしていて、夕刻にはサインの無い看板として光ります。街の中にふと現れる元看板が「場」をつくり、「ゆたかなイばしょ」となってくれたらいいなと思いました。イばしょのイは居心地の“居”であったり、それぞれ異なる“異”であったり。相“違”を理解して自分を見直す場所になれたら。「キング軸」のあるみなとみらい21という開発されたエリアも、元の土地の記憶を持っています。移り変わる日常の中の「元何か」の存在に自由で豊かな人の創造性に連鎖するかもしれないですよね。

アートスペース「似て非works」稲吉稔さん (撮影:小野寺忍)

 

■審査員賞/木村絵理子賞
『わになる』 tre

撮影:森本聡

資生堂グローバルイノベーションセンターS/PARK前には、街路樹を囲うテーブルが現れていた。多摩美術大学と東京藝術大学の学生3人のグループtre(5)の作品で、道端の植樹や街灯を囲うことで、ふと目を向けなおす瞬間をつくりたいというコンセプトだ。普段気に留めないモノたちが、このテーブルに囲まれることで、輪郭がくっきりと浮かび上がってくる。

 

■審査員賞/寒川紗代子賞
『IKADA(筏テーブル)』 日髙 仁

撮影:森本聡

高層ビル街に筏が出現。建築家、日髙 仁さん(6)の作品。木材運搬技術である「筏(いかだ)」に着目した作品。樹種やサイズが異なる古材を組み合わせて、筏のように束ねてテーブルにしてある。状況に応じてサイズや形態が変更でき、展示後は解体し、古材として再生利用する。この作品前で、道いく人が立ち止まってじっくりと眺めたり、そっと触れてみたりする光景が見られた。

 

■審査員賞/松本道雄賞
『足と脚 -Rickshaw Table-』 しんきんぐ(7)

撮影:森本聡

BankART school 2022年5月-8月期「これからどうなるBankART」研究会で集まった、横浜にある3つの大学の大学院生5人によるチームが審査員賞を獲得した。テーブルには2本の脚しかついていない。利用者が自ら3本目の脚となることで初めてテーブルとして成り立つというコンセプトだからだ。BankART1929前代表・池田修さん急逝後のBankARTの今後を考えるBankART School受講生から生まれたグループの作品には、街のありかたや「交流」機能を持たせたアート作品というコンセプトがあり、池田さんの遺志が感じとれるようだった。

 

■キング軸界隈賞 オーディエンス賞
『UMIKAZE YOKOHAMA』 TOMOKO

撮影:森本聡

キング軸界隈賞(キング軸周辺の在勤・在学・居住者によって選出)とオーディエンス賞(一般の審査会参加者の投票によって選出)をダブルで受賞したTOMOKO(8)による作品。波を描くフォルムと青のグラデーションで横浜の海を表現した天板は、「キング軸」が住民や在勤者にとって「海につながる道」だという意識を、的確に捉えている。

 

『旅するコンポストテーブル-hacorin-』 株式会社EAU・中尾直暉(9)

撮影:森本聡

街路樹の間にさりげなく置かれた移動可能な都市型コンポスト。このテーブルが可能にするのは、公共スペースに一時的に食卓を提供する事、そして食べ残しをその場で土に混ぜるという新しい食事スタイル。このテーブルを基点に森・土・食の循環をつくることを目指す。

 

『Wa! t a Table!』 WA!moto.+ Islands.co

撮影:森本聡

高島中央公園で子どもたちが対戦型スマホゲームのテーブルとして活用していたのは、彫刻家WA!moto.とデザイナーの髙平洋平さん(10)の作品。テーブルの下半身は彫刻家自身の3Dスキャン、上半身は抽象化されたモノリスというユーモラスなデザインが、子どもたちに人気となった。

 

『手しゃべりテーブル キング軸』 MijiN◯△□(11)

撮影:森本聡

ここでは、丸いテーブルのまわりに集まり、おしゃべりしながら手を動かす楽しげな風景が生まれていた。これは東京藝術大学の社会人履修プロジェクト“DOOR”から発生したグループの作品。テーブルの上には丸、三角、四角の布があり、布にはプラスナップで留めたり外したり重ねたりできるので、参加者は自由に布をつぎ合わせたり、外したりしていた。「なにか完成を目指す事よりも、居合わせた人と布を通した小さな手仕事から生まれる会話や出来事を大切にしている」と、“MijiN◯△□”のスタッフ。小さいけれども新しい、横浜の「こと」がこのテーブルから生まれるかもしれない。

 

■特別参加作品
『MIKAN TABLE 2022』 みかんぐみ(12)

撮影:森本聡

撮影:森本聡

横浜トリエンナーレ2005で、移動式のFMラジオ局とチケットブースおよびカウンターとしてデザイン・制作された『MIKAN TABLE』が『MIKAN TABLE 2022』として色が変わって再登場した。

さかさまにしたカラーコーンがテーブルの脚になっているこの作品は、今回もプロジェクトの受付用テーブルとして活躍。当日パンフレットや案内などが置かれたり、BankART1929スタッフの休憩スペースになったりしていた。

 

アートテーブルがもたらした会話とつながり

11月27日(日)、『キング軸・アートテーブル』の最後の展示場所、高島中央公園「みなとみらいParkDay2022秋」で、同イベント主催者でもあり、アートテーブルの審査員も務めた高島中央公園愛護会会長の松本道雄さん(13)とBankART副代表の秋元さんにアートテーブルを囲んでお話を伺った。

デザインとアートのグループ「ヤング荘」(14)による『キングテーブル』(特別参加作品)に座って会話する松本道雄さん(右)と秋元康幸さん(左)(撮影:小野寺忍)

秋元:「キング軸」は公道ではなく、この高島中央公園の真ん中を突っ切る歩行者軸なんですよね。地元の住人の方はよく使われているのですか?

松本:みなとみらい地区には7つの高層集合住宅がありますが、その間を縫ってパシフィコ横浜ノースと臨港パークへとつながる「キングモール橋」という歩道橋が2021年にできたり、みなとみらい本町小学校に正門に面する横濱ゲートタワーができて、利用頻度は上がりましたが、まだ開通していないところもあり、そこまで高くはないですね。私には集合住宅エリアに近い「キング軸」の周囲に住んでいる人や、働いている人、学んでいる人がバラバラな状態にあるのを、ひとつのコミュニティにまとめたいという願いがありました。その共通の“みんなの庭”である高島中央公園での活動(花植えやラジオ体操、ゴミ拾い、ポニーの乗馬体験など)を立ち上げたのはそんな思いからです。「キング軸」も“みんなの散歩道・歩道”なので、アートテーブルは様々な人々を結ぶぴったりの企画で、大歓迎でした。

秋元:住民のみなさんへのアプローチを松本さんとご一緒できたことで、チラシの戸別配布などの告知ができ、地域住民の方々とのつながりのとっかかりを得ることができました。BankART Stationが新高島駅地下というとても近くにあることをアピールできたのではないかと思っています。地域住民の方には、身近な日常の中にアートがある毎日を楽しんでいただきたいです。
横浜駅から海に延びる「キング軸」上には、大企業のオフィスビル、小学校、商業ビル、高層マンションが並び、産学住が集まっている珍しい地域です。今回のこの取組みを通じて、企業の方やビルのオーナーさん、松本さんをはじめとする地域住民の方と知り合うことができました。これをきっかけに、つながりをひろげ、まちをつないで新たなみなとみらい21地区やBankART1929の在り方を探って行きたいですね。

秋元さん(撮影:小野寺忍)

松本さん(撮影:小野寺忍)

 

「キング軸」を可視化し、多彩な人や地域をつなぎ、まだ知り合っていない人々に集い楽しんでもらおうと企画されたアートプロジェクト『キング軸・アートテーブル』。その狙いどおり、アーティストと企業、住人、来街者を巻き込んで会話を生みだし、普段にはないまちの風景が生まれていた。

「横浜」というまちのユニークな都市性、みなとみらい21地区という地域のこれからの可能性、様々な状況があるからこそ、まだ全貌が見えていない「キング軸」上に出現したアートテーブルを囲むことが、まちの風景をいつもよりワクワクする体験にしていたように思う。

“アート”が“テーブル”の形をとって日常や地域、そして人の間に滑り込むことの楽しさを大いに味わえた機会となった。

撮影:小野寺忍

 

取材・文:猪上杉子
撮影:森本聡(CCDN)
   小野寺忍(小野寺写真事務所)
   ※クレジットは、各画像に記載


 みなとみらい21地区について
・横浜市みなとみらい21地区事業概要
https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/machizukuri-kankyo/toshiseibi/mm21/gaiyo.html 参照
・みなとみらい21地区のまちづくりについては、こちらを参照
https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/machizukuri-kankyo/toshiseibi/mm21/keikansakutei/keikan.files/0001_20180926.pdf
(上記二つとも、都市整備局都心再生部横浜駅・みなとみらい推進課 より抜粋)

池田修

いけだ・おさむ|1957~2022(没年64歳)。大阪生まれ。B ゼミスクール卒業後、都市に棲むことをテーマに美術と建築を横断するチームPHスタジオを発足。代表作は広島のダム湖に沈む町でのプロジェクト「船、山にのぼる」。また、コーディネーターとしては、代官山ヒルサイドギャラリーディレクター(1986~1991)を経て、2019年よりアートフロントギャラリー取締役に就任。2004年からBankART1929の立ち上げと企画運営に携わり、2007年NPO 法人化とともに理事長に就任。2009年度 芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞。(BankART1929『池田修を偲ぶ6日間「都市に棲む―池田修の夢と仕事」』プロフィールより引用)


Profile

1:秋元康幸
BankART1929副代表。横浜市立大学客員教授、都市デザイナー。横浜市役所勤務では、都市づくりを中心に仕事をした。みなとみらい21担当、都市デザイン室長、創造都市推進部長などで横浜都心部のまちづくりに関わってきた。また、地域整備支援課長、建築局企画部長などで、市民参加のまちづくり、少子高齢化のまちづくり、郊外住宅地の再生などの仕事にも携わってきた。2018年3月に横浜市役所を定年退職し、秋元康幸・都市デザインオフィスを開設したほか、現在、大学で非常勤講師として教鞭をとっている。

2:村上素子
すず竹細工つくり手。兵庫県生まれ。民族文化の調査・記録にたずさわる。2011- 19 東京大学大学院博士課程。2020- 竹細工作家として活動。展示会等に出品。博士(農学)。

3:山本想太郎
建築家。東京都生まれ。1989-91 早稲田大学大学院。1991- 2003 坂倉建築研究所勤務。2004- 山本想太郎設計アトリエ主宰。一級建築士。東洋大学・工学院大学・芝浦工業大学非常勤講師。オーストラリア建築家協会賞、AACA賞、東京建築賞、グッドデザイン賞などを受賞。

4:似て非works
「似て非works」は似ている様で異なるという意味を基に「元何か」が異なるフィルターを透して、予想外がいかに連鎖を生むか?を試みています。移り変わる日常の中の「元何か」。これまで活動拠点としてきた場所も、元お菓子工場や、銀行跡、元運送屋さんと、その対象はすべて町の中にありました。例えば普段は眠っている、自由で豊かな創造性は誰にもあり、その対象は、小さなモノや コトから始まり、記憶を重ねる町そのものなのかもしれません。

5:tre
奥川司(多摩美術大学B1)、河野七穂(多摩美術大学 B2)、竹内佑有(東京藝術大学B1)、によるトリオ。美術予備校で浪人時代を共にすごし、大学進学後に共同制作のためのグループを結成。

6:日髙 仁
1971年広島生まれ。建築家、SLOWMEDIA代表。 東京大学大学院、磯崎新アトリエ、東京大学特任助教を 経て関東学院大学共生デザイン学科准教授。Responsive Environment 共同主宰。作品に Soft Architecture@1929 (2006,2007)Media Scape@Yokohama(2009,2010)等。受賞歴に、しまなみ海道10thアニバーサリーコンペ一席、神奈川県建築士会 感境建築コンペ2019最優秀賞、第3回JIA 四国建築賞2018佳作等。

7:しんきんぐ
Bankart Schoolで集まった大学院生5人によるチーム。鈴木亮太 関東学院大学助手 横浜市立大学D3、沼尾航平 横浜市立大学M2 、中村 元 横浜市立大学M1、岩屋百花 横浜市立大学 M1、川田真史 横浜国立大学M1

8:TOMOKO(内井知子)
東京目黒で生まれる。3歳から横浜で育つ。1974年からモデル業をスタート。資生堂専属モデルとなったほか、日本初の話題の企業のコマーシャルや雑誌などに数多く出演する。モデル業を経て 外資系企業のハイブランドの立ち上げに携わる。その後、 店舗やブランドのイメージディレクションやビジュアルディレクションなどを手掛ける。現在はアルフォンス・ ミュシャ日本総代理店としてライセンス展開を運営する株式会社ジーイーエム代表取締役。

9:中尾直暉
1997年生まれ。長崎県の佐世保市で、山と海に囲まれて育つ。現代の社会が生態系を乱しながら街をつくっていることに疑問を覚え、環境デザイナーを志望した。2022年、早稲田大学大学院吉村靖孝研究室を卒業。現在は、公共空間のデザインを専門とする設計事務所、株式会社EAUに所属。人間を含めたあらゆる生命が共生する環境をつくるべく、プロダクト・建築・土木の領域を超えて設計を行っている。

10:WA!moto.+ Islands.co
渡辺元佳:1981年 北海道伊達市出身。言語、文化を超えた コミュニケーションをテーマに、動物をモチーフとした彫刻作品を約20年間制作、発表。近年では、中国中山市、Find our Happiness.(2021)など。
髙平洋平:インテリアデザイナー/桑沢デザイン研究所 専任講師。内田デザイン研究所に在籍し内田繁に師事 (2011-2020)。ホテルやレジデンスのインテリアデザイン、 展覧会会場構成、家具設計等を手がける。

11:MijiN ◯△□
東京藝術大学の社会人履修プロジェクト 「Diversity on the Arts Project」(愛称:DOOR)で出会い生まれました。2017年より福祉・美術・まちづくりの現場で「ひ と・ことを知る」きっかけ創りとしてワークショップを重ねる毎に、メンバーを入れ替えるなど、現場や地域で関わる人と共に成長中のプロジェクトグループです。 

12:みかんぐみ
加茂紀和子、曽我部昌史、竹内昌義、マニュエル・タルディッツによる一級建築設計事務所。1995年 NHK長野放送会館の設計を機に共同設立。戸建住宅から、保育園、学校、商業施設や万博パビリオンなどの建築設計を中心に、家具、プロダクトやアートプロジェクトまで幅広くデザインを手がけている。 主な作品:NHK長野放送会館、SHIBUYA-AX、2005年愛・地球博トヨタグループ館、 伊那市立伊那東小学校、横浜開国・開港博Y150はじまりの森、mAAchecute 神田万世橋、横浜市立みなとみらい本町小学校 https://mikan.co.jp/

13:松本道雄
高島中央公園愛護会会長。認定NPO法人 市民セクターよこはま副理事長・事務局長、NPO法人 横浜プランナーズネットワーク理事、一級建築士。

14:ヤング荘
グラフィックデザインと現代美術を横断する作品制作を展開。チラシ、カタログデザイ ンの仕事の他に、展覧会などで作品を発表している。http://www.youngsoul.biz/