大人の部室「BUKATSUDO」で料理教室体験

Posted : 2016.03.24
  • facebook
  • twitter
  • mail
前回から引き続き、街のシェアスペース「BUKATSUDO」の体験レポートを、フリーランスで編集・ライター・マンガ家として活動中のいしだわかこさんがお届けします。今回は、キッチンスペースを使った人気イベント「おうちでつくれる本格タイ料理レッスン」に参加してもらいました。

タイ料理01

「おうちで再現できる」にこだわるタイ料理

タイ料理02講師は、都立大学で本格タイ料理教室を主宰する、みもっと先生。「BUKATSUDO」オープン当初からタイ料理講座を行っているそう。

「家でも再現しやすいタイ料理」をコンセプトにした、日本で手に入りやすい食材を使う親しみやすいレシピが大人気です。

この日のレシピは「おいしい人参のソムタム&トムカーガイ」。

私を入れると総勢10名です。参加者は初参加の方から「今日で6回目です!」というリピーターも。横浜在住の方が多いものの、東京や座間など市外から参加されている方もいて、人気のほどがうかがえます。

タイ料理03

「タイ料理=味が複雑=めんどうくさい」では続けることが難しく、せっかく料理教室に通ってもその場かぎりになってしまうことに。でもそれではもったいない!

みもっと先生のレシピは輸入食材の店などで手に入るものに絞って考えてあるそうです。実際に体験してみて、「タイ料理ってこんなに簡単にできるんだ!」と実感でき、とても貴重な時間となりました。

タイ料理04

調味料さえ「タイのもの」であれば、素材は応用可

まずはレシピの説明から。

「ソム」はタイ語で「酸っぱい」、「タム」は「叩く」という意味。「ソムタム」は甘酸っぱい味付けにしたサラダのことです。本場タイでは青パパイヤでつくられたものが有名ですが、日本では状態の良い青パパイヤが手に入りにくいため、今回は人参で代用しています。みもっと先生によれば「リンゴで作っても美味しいですよ。」とのこと。ただし、パームシュガーを白砂糖に変更してはいけません!

「食材は手に入りやすいものに変えてもいいけれど、調味料を変えてしまうと“タイ料理”ではなくなってしまいます」。

味を決める秘訣は調味料。ここで妥協はしないこと。

「トムカーガイ」は鶏肉のココナツミルクスープ。
 

「“トム”はタイ語で茹でる、煮るという意味で、煮込み料理の総称する言葉のこと。“カー”は、生姜に似た植物、“ガイ”は鶏肉です。素材が豚肉になると、“トムカームーになります」

料理を通じて、タイ語のお勉強も。

タイ料理05

皆で手分けをして下ごしらえを

今回の2品のレシピは、いずれも2ステップ。「切って、混ぜる」と「沸かして、混ぜる」。これなら、どんな横着さんでも家で再現できそう。

しかし、10人分の食材はけっこうなボリュームです。これをみんなで分担して下ごしらえをしていきます。

 タイ料理06  タイ料理07

生姜に似た「カー」は薄切りに。
 
人参は、青パパイヤ用の刃がしっかりしたピーラーで、皮のまま削いでいきます。軽い力でススッと滑るように沿わせていくとうまくいきます。

タイ料理08「か、固い!!」

これはパームシュガーの塊です。包丁が刃こぼれしそうなほど固い!

「切る」というよりも「砕く」感じで、ごりごり、ざくざく。

「輸入食材屋さんには、粉になっているものも売っています。自宅で作る時はそういうものを使って時間を短縮してもいいですよ」と、先生。

タイ料理09パクチーもどっさり! スープに載せます。

「素材を揃えるのがめんどうくさかったら、市販の“トムヤムクンセット”などを使ってもOK!」

「わあ! ちょうど、買ったままどうしようかと思って置いてあるものがあるんですよ!」

参加者さんとの会話も弾みます。

タイ料理10

みんなが食材を切っている間に、先生はスープの味付けに入ります。沸騰させたココナツミルクに鶏肉・平茸を加えたものに、調味料を足していきます。

味見をしながら少しずつ……「もうちょっとだなー。えいっ!」

タイ料理11

大きな窓から光がたっぷり入る開放感のあるキッチンで、和気あいあいと調理を進めていきます。手の空いた人は使い終わった道具を洗ったり、手順をアドバイスしたり。みんなで協力して料理を仕上げていく様子は、まさに「大人の部活動」。

タイ料理12

先生が持ってきてくれたテラコッタのすり鉢で唐辛子やナッツなどを叩き、調味料で下味をつけてから人参を和えます。

自分の分は自分で叩くので、ここは全員参加。辛さが苦手な人は唐辛子を半分にして、味を調節していました。

タイ料理13

さて、できあがり!

約1時間で、2品ができました。

あらかじめ炊いておいたジャスミンライスと共に、お待ちかねの試食会です。

人参のソムタムは自分の好みで味付けできるので、食べやすく優しい味に。辛い方が好きだからと唐辛子を3本入れてしまった人は、「思ったよりも辛かった!」と汗をふきふき試食していていました。

トムカーガイは、出汁を取らないとっても簡単レシピなのに、ココナツミルクのおかげでコクがあってまろやかで、美味しーーい!! 洗い物も少ないですし、これなら家でも作れそう。

和やかにコミュニケーションを取りながらのレッスンでは、終始笑顔が溢れていました。「BUKATSUDO」が発信する、豊かでおおらかな空気感そのものを体感したレッスンとなりました。

【みもっと先生から】
タイ料理14「タイ料理は難しいという印象を持っている人は少なくないかもしれません。でも、ここでは初心者の方でも簡単に美味しくできるレシピをご紹介しています。講座は1時間半。“習う”というよりもご飯を食べにくるようなつもりで、ぜひ気軽に遊びに来てくださいね」

【みもっと先生プロフィール】
タイ在住時に本格的にタイ料理を学ぶ。ホテル仕込みのタイ料理はすべてペーストから手作りで、見た目も美しく上品。帰国後、タイ料理教室「おいしみ研究所」(都立大学)主宰。またヴァン・ナチュール好きを生かして、都内や大阪のワインバーとコラボしたタイ料理×ワインのイベント開催や、アパレルのプレスイベントへの大規模ケータリング、個人宅への出張シェフなど、さまざまな方面でタイ料理を広める活動を展開。

BUKATSUDO」での次の講座は5月14日(土)を予定。詳しくは後日「BUKATSUDO」サイト内イベントページ(http://bukatsu-do.jp/?page_id=6)にて公開。


icon【案内人プロフィール】
いしだわかこ(Wakako ISHIDA)
少女マンガ家、編集者を経て、現在フリーランスで編集・ライター・マンガ家として活動中。実用書・ビジネス書などの書籍や雑誌編集、WEBコンテンツ制作、横浜市の情報小冊子にマンガを描いたりなど。ゆるめITベンチャーから女性誌、官公庁広報誌まで雑食気味。誕生は藤沢、生後2ヶ月から横浜育ち・横浜在住。仕事場は横浜と鎌倉。