被災地からのことばのハンカチ展(横浜巡回展)

Posted : 2014.04.25
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東日本大震災から3年。岩手・宮城・福島の商店街から寄せられた「ことば」が、グラフィックデザイナーと出会い、326枚のハンカチが生まれた――。国内12ヵ所を巡回している「被災地からのことばのハンカチ展」が、このゴールデンウィークに横浜で開催される。一枚一枚のハンカチとともに、「ことば」のエピソードなども併せて展示される。3年経った今だからこそ、向き合いたい展示だ。

やさしいハンカチ展Part2@YCC、2013年4月

 

 
ハンカチにデザインされた、たくさんの「ことば」。

「やさしいハンカチ展」は、JAGDA(公益社団法人日本グラフィックデザイナー協会)が2011年から取り組んでいる東北復興支援プロジェクト。デザイナーが手掛けたハンカチを全国で巡回展示・販売し、その収益を岩手・宮城・福島の3県に届けてきた。今年で3回目の開催となる。Part 2では同3県の小学生の「絵」、そして今回のPart 3では復興商店街に関わる人たちから「ことば」が寄せられた。それらを素材にデザインされたたくさんのハンカチが、このプロジェクトで誕生している。

東北の商店街で復興を支える201名の「ことば」とそのエピソードは、ポジティブなもの、そうではないもの、その2つが混在しているもの――とじつにさまざま。今もそれぞれの想いや状況を抱えて暮らしている、一人ひとりの現実があふれ出る。横浜展のコーディネーターを務める満島弘(みつしま・ひろし/アートディレクター/デザイナー)さんは、「3年がたち、震災のこともだんだん風化してきているのではないかと思います。言葉の力が、改めて考えるきっかけになってもらえれば。」と本展への想いを語る。プロジェクトに参加したデザイナーたちは、201名の現実をうつした「ことば」に向き合い、それをハンカチにデザインして「かたち」にしているのだ。

そんなたくさんの人の想いがこめられた「やさしいハンカチ展」Part 3。横浜の巡回展はPart2に続き、ヨコハマ創造都市センター(YCC)で開催される。横浜ならではのイベントもあるから見逃せない。4月29日(火)のオープニングイベントでは、本プロジェクト企画者の福島治さん(グラフィックデザイナー)と、コラムニストの神崎桃子さんのトークイベントを開催。会場に展示されたハンカチの数々を「ことばとデザイン」をキーワードに紹介する。来場者のメッセージを被災地に届ける『「被災地の方へ!届け!応援メッセージ」写真展』も同時開催。そして横浜展のチラシには、イラストで楽しむ横浜のお散歩マップが付いている! まだ手にしていない方は、会場で受け取るのをお忘れなく。
このゴールデンウィーク、復興を支える人たちの「ことば」と「デザイン」に会いに行こう。

「被災地の方へ!届け!応援メッセージ」の様子(やさしいハンカチ展Part2@YCC)、2013年4月

「被災地の方へ!届け!応援メッセージ」の様子(やさしいハンカチ展Part2@YCC)、2013年4月

企画者:子鬼さん(デザイナー/イラストレーター/フォトグラファー、JAGDA神奈川会員)

企画者:子鬼さん(デザイナー/イラストレーター/フォトグラファー、JAGDA神奈川会員)

 

復興を支える人たちの「ことば」をもとにデザインされたハンカチ

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デザイナー:子鬼
ことば:「それぞれの道で精一杯生きて!」(福島・いわき市)
エピソード:震災から2年半。長男は避難先での生活を選び、次男は地元で生きる道を選んだ。家族が一緒に暮らす、その平凡な幸せを取り戻せない今、それぞれの選択した道でたくさんの幸せを掴んでくれることを願うだけ。

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デザイナー:満島弘
ことば:「子供達の未来」(宮城・宮城郡七ヶ浜町)
エピソード:2人目が12年ぶりにできて出産1ヶ月での震災だったのでたいへんだったけど、今は元気に育ってくれてありがとうの気持ちでいっぱいです。

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デザイナー:福島治
ことば:「飲みつかれ」(福島・いわき市)
エピソード:ストレス発散で飲みすぎてます。シロガネテーブルの菅波君、最高です。パスタにハンバーグ美味です。ついつい飲んでしまいます。

 

【イベント情報】

JAGDAやさしいハンカチ展Part 3「被災地からのことばのハンカチ展」
会期:2014年4月29日(火・祝)~5月5日(月・祝)11:00-19:00
会場:ヨコハマ創造都市センター3F
最寄り駅:みなとみらい線馬車道駅、JR桜木町駅
入場料:無料
主催:公益社団法人日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)神奈川地区
共催:ヨコハマ創造都市センター(公益財団法人横浜市芸術文化振興財団)
後援:神奈川新聞、公益社団法人かながわデザイン機構
特設ウェブサイト:http://handkerchiefs3.jagda.or.jp/

オープニングイベント
4月29日(火)16:00~17:30 トークイベント「ことばとデザイン」
ゲスト:福島 治(グラフィクデザイナー)、神崎桃子(コラムニスト)他
参加費:無料
4月29日(火)17:30~19:00 レセプションパーティー

横浜展独自企画
1.「被災地の方へ!届け!応援メッセージ」写真展
企画者:子鬼(デザイナー/イラストレーター/フォトグラファー、JAGDA神奈川会員)

2.ハンカチへの寄せ書き
被災地へのメッセージを来場者に大きなハンカチへ寄せ書きしていただく企画

3.イラストで楽しむみなとみらいのお散歩マップ
制作:しんじえりこ(イラストレーター/JAGDA神奈川会員)

ハンカチについて
デザイン:JAGDA会員326名(326種類)
仕様:45cm四方のハンカチ(綿100%/日本製)
価格:1枚1,200円(税込・送料別)
製作:株式会社ヤエザワ
販売:会場即売およびJAGDA Online Shopからの予約販売(2014年1~6月)

参加商店街について
・岩手:陸前高田市「高田大隅つどいの丘商店街」「陸前高田未来商店街」    
・宮城:宮城郡七ヶ浜町「七の市商店街」
・福島:いわき市「夜明け市場・白銀商店街」
2013年秋、東北3県の4つの復興商店街で、店主やその家族、NPO、ボランティアなど201名に「いまの思い」をことばにしてもらうアンケートを実施。ハンカチの販売収益は、各商店街に還元される。