コンテンポラリーアニメーション入門 第15回講座

Posted : 2013.10.25
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アカデミー賞ノミネート作品『頭山』の作者であり、日本のアニメーション界をリードする山村浩二氏。彼が企画・進行を務める講座が、横浜に校舎をかまえる東京藝術大学大学院映像研究科で公開される。15回目となる今回は、幅広く活躍するクリエイター3名を招き、昨今の現代短編アニメーションのウラ事情に迫っていく!
春のしくみ

『春のしくみ』(和田淳/2010年)

 

アニメ大国・日本の現代アニメーション事情とは?

今や、世界的に有名になった日本のアニメーション。自分たちと同時代に、どのようなアニメーション作家が、どのような意識で作品を制作しているのだろうか。2009年7月にスタートしたこの公開講座は、世界的に「いま」を象徴する作家の作品を鑑賞しながらの講義だ。

短編アニメーションは、常にアニメーション映像の最先端を走っていながら、一般に触れる機会はあまり増えていない。この講座のゴールは、まずその基礎知識を共有して、コンテンポラリーアニメーションの見取り図を描くことだ。

今回の演題は、『現代日本のインディペンデント事情』。そもそも、“インディペンデント・アニメーション”とはどんなジャンルを意味するのだろう。自主制作アニメーション? 短編アニメーション? まだまだ一般的に浸透していないインディペンデント・アニメーションの定義から、最近の日本での作品の傾向、助成金の話、発表の方法など、作品上映とディスカッションを通じて、山村浩二氏とゲスト3名(和田淳氏、しりあがり寿氏、湯浅政明氏)が、短編アニメーションをひもといていく。

アニメーション専攻の学生や関係者だけでなく、幼いころからアニメに親しんできた日本人であれば、作品を観るだけでも楽しめる講座となるはず。そしてこれをきっかけに、短編アニメーションの魅力や可能性をぜひ知ってほしい。

山村浩二企画/進行
山村浩二(東京藝術大学大学院映像研究科 教授)

1964年名古屋市生まれ。『頭山』がアヌシー、ザグレブ、広島をはじめ6つのグランプリを受賞、アカデミー賞にノミネートされる。また『カフカ 田舎医者』がオタワなど7つのグランプリを受賞。2011年には日本人初のNFBとのアニメーション共同制作『マイブリッジの糸』を完成。アニメーション作品の国際的な受賞は80を越える。国際アニメーションフィルム協会理事、日本アニメーション協会副会長。

 

和田淳和田淳 Atsushi Wada

1980年兵庫県生まれ。大阪教育大学、イメージフォーラム付属映像研究所、東京藝術大学大学院で映像を学ぶ。2002年頃から独学でアニメーションを制作しはじめ、「間」と「気持ちいい動き」を大きなテーマに制作を続けている。『わからないブタ』(’10)がファントーシュ国際アニメーション映画祭でBest film、文化庁メディア芸術祭で優秀賞等国内外の映画祭で受賞。『春のしくみ』(’10)がベネチア映画祭オリゾンティ部門で上映され、『グレートラビット』(’12)がベルリン国際映画祭短編部門で銀熊賞を受賞する。テレビシリーズ『レイナレイナ』(’09)で共同監督として参加、映画『私は猫ストーカー』(’09)、『ゲゲゲの女房』(’10)でアニメーションパートを担当する。現在、大阪教育大学、大手前大学非常勤講師、日本アニメーション協会会員。

 

しりあがり寿2しりあがり寿 Kotobuki Shiriagari

1958年静岡市生まれ。1981年多摩美術大学グラフィックデザイン専攻卒業後キリンビール株式会社に入社し、パッケージデザイン、広告宣伝等を担当。1985年単行本『エレキな春』で漫画家としてデビュー。パロディーを中心にした新しいタイプのギャグマンガ家として注目を浴びる。1994年独立後は、幻想的あるいは文学的な作品など次々に発表、マンガ家として独自な活動を続ける一方、近年ではエッセイ、映像、ゲーム、アートなど多方面に創作の幅を広げている。2001年『弥次喜多 in DEEP』(エンターブレイン)にて第5回手塚治虫文化賞「マンガ優秀賞」を受賞。2012年『あの日からのマンガ』(エンターブレイン)にて第15回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞。

 

湯浅さん湯浅政明 Masaaki Yuasa

日本のアニメーション監督、脚本家、デザイナー、アニメーター。福岡県出身。血液型はA型。監督作『マインド・ゲーム』は毎日映画コンクール大藤信郎賞、文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞、モントリオール・ファンタジア国際映画祭アニメーション部門優秀賞ほか6部門受賞。『四畳半神話大系』でもテレビ作品初の文化庁メディア芸術祭大賞を受賞した。

 

 


<第15回講座>
日程:2013年11月2日(土)
講演:16:00〜18:00(開場:15:30)
演題:『現代日本のインディペンデント事情』
上映作品(予定):『春のしくみ』(2010)、『グレートラビット』(2012)、『ならべうた「徳川15代将軍」』(2008)、『キックハート』他
講師:山村浩二
パネリスト:和田淳、しりあがり寿、湯浅政明
※予告なく演題、上映作品、講師を変更される場合があります
※第16回以降、来年度に継続予定
会場:東京藝術大学 横浜校地 馬車道校舎
入場料:無料 ※事前申込不要(先着順90名)
※満席の場合には立ち見のスペースが無いため、会場の中に入れない場合がありますのでご留意ください。なお、1階ロビーにて講座の映像中継を用意する予定
※インターネット上でストリーミング中継を予定。詳しくは公式ウェブサイトにてご確認ください

最新情報は公式ウェブサイトをご覧下さい

主催:東京藝術大学大学院映像研究科
共催:横浜市文化観光局
協力: NFB(カナダ国立映画制作庁)
問い合わせ先:
「コンテンポラリーアニメーション入門」担当:村上、若見
東京藝術大学 大学院映像研究科 アニメーション専攻
TEL: 045-227-6041 / FAX: 045-227-6042
http://animation.geidai.ac.jp/ca/
Email: ca_info@animation.geidai.ac.jp