フランス映画祭2018、横浜で開幕!

Posted : 2018.06.22
  • facebook
  • twitter
  • mail
今年で26回を迎えるフランス映画祭が6月21日に開幕した。24日までの開催期間中は横浜がフランス映画の香りに包まれる。日本未公開のフランス映画最新作14作品の上映の他、フランスを代表する豪華俳優や監督たちが来日し、上映終了後には監督や出演俳優への質疑応答タイムやサイン会なども実施され、映画ファンにとって待ちに待ったフェスティバルだ。まだ、当日券が手に入る上映もあるので、是非横浜へフランス映画に会いにきて!

「フランス映画祭2018」 オープニングセレモニーが華やかに!

6月21日、「フランス映画祭 2018」のオープニングセレモニーが、横浜みなとみらいホールで行われた。夕暮れのみなとみらいの街をバックに、レッドカーペットにまず登場したのは「フェスティバル・ミューズ」を務める女優の常盤貴子さん。横浜の海をイメージしたという爽やかな着物姿だ。
「私の育った街、横浜での開催を誇りに思います。フランス映画に対するみなさんの情熱をここ横浜で熱く受とめたいですね」。

レッドカーペットでカルロス・ゴーンさん(日産自動車株式会社取締役会長)とナタリー・バイさん(フランス映画祭アーティスト団団長)を迎える常磐貴子さん。PHOTO:Ryusuke OONO

 

たくさんの来場者が見守る中、フランス映画祭アーティスト団全員も次々とレッドカーペットに登場し、映画祭の開幕らしい華やかな雰囲気にあちこちからため息がもれた。
続いて横浜みなとみらいホール大ホールでオープニングセレモニーが実施。

林文子横浜市長はフランス語で冒頭挨拶、「日仏交流160周年という記念すべき年に、13年ぶりに横浜に戻っての開催です。人の思いに寄り添うのが文化交流です。長年続くフランス月間と共に、映画を通じて、横浜の街にふさわしい日仏の文化交流をたっぷりと楽しんでください」と喜びを語った。

挨拶する林文子横浜市長 PHOTO:Ryusuke OONO

 

また、ローラン・ピック駐日フランス大使も、「このフランス映画祭の“ゆりかご”ともいえる横浜に戻ってきたことを嬉しく感じます。今の世の中ほど“対話”が必要な時代はありませんが、“対話”を可能にするのが映画であり、文化交流です」とこの映画祭への祝辞を述べた。

ローラン・ピック駐日フランス大使 PHOTO:Ryusuke OONO

 

スペシャルゲストとして登壇したのは、カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞したばかりの是枝裕和監督。大きな拍手に迎えられ、フランス映画への感謝と映画祭への期待をこう語った。

「僕自身を育ててくれたフランス映画に感謝するとともに、ひとりの作り手となってからも数々のフランスの映画祭に呼んでいただいたことでフランスの映画人やフランスの映画ファンの方に育てられて、映画を作っていくことができています。同じように今日ここに集まっているフランスの映画の作り手のみなさんも、日本の観客との出会いによって、きっと次の映画に向かい合うエネルギーをもらえると思うんです。そんな貴重な機会となる映画祭になることを願っています」

スペシャル・ゲストの是枝裕和監督 PHOTO:Ryusuke OONO

 

フランス映画祭アーティスト団団長を務める女優のナタリー・バイさんと常磐さんによって4日間のフェスティバルの開幕が宣言された。

林文子(横浜市長)、常盤貴子、ナタリー・バイ、是枝裕和監督らと来日したフランス映画祭アーティスト団 PHOTO:Ryusuke OONO

 

オープニング上映作品は、日本公開のフランス語映画で歴代最高の興行収入を上げた『最強のふたり』の監督コンビの最新作『セラヴィ!』。会場からは大きな笑いが沸き、上映後にはエリック・トレダノ、 オリヴィエ・ナカシュ両監督が制作にまつわる想いを語り、また来場者からの質問にユーモアたっぷりに答えて、会場は一体感に包まれた。(『セラヴィ!』は7月にロードショー公開される)

『セラヴィ!』Le Sens de la Fête© 2017 QUAD+TEN / GAUMONT / TF1 FILMS PRODUCTION / PANACHE PRODUCTIONS / LA COMPAGNIE CINEMATOGRAPHIQUE

オープニング上映で挨拶をする『セラヴィ!』のエリック・トレダノ監督とオリヴィエ・ナカシュ監督 PHOTO:Ryusuke OONO

 

「フランス映画祭2018」の楽しみ方

これからの上映作品を、今回のフランス映画祭の特徴とともにいくつか紹介しよう。

■ 『とてもいじわるなキツネと仲間たち』(22日上映)
オスカー候補にもなった『くまのアーネストおじさんとセレスティーヌ』のクリエーターが描く、かわいいながらも、フレンチ・ユーモア溢れるアニメーション。日本公開未定なので必見だ。

『とてもいじわるなキツネと仲間たち』Le Grand Méchant Renard ©FOLIVARI/PANIQUE/STUDIOCANAL/RTBF/OUFtivi/VOO/Be tv

 

■『REVENGE リベンジ』(23日上映)
女性監督、女優にフォーカスを当てている今回のフランス映画祭。美しきヒロインの復讐劇を描いた話題作。コラリー・ファルジャ監督が初の長編作品への想いを語るだろう。

『REVENGE リベンジ』©2017 M.E.S. PRODUCTIONS – MONKEY PACK FILMS – CHARADES – LOGICAL PICTURES – NEXUS FACTORY – UMEDIA

 

■『モカ色の車』(23日上映)
フランス映画祭アーティスト団団長を務めるナタリー・バイが出演。彼女は、フランソワ・トリュフォー監督の『映画に愛を込めて アメリカの夜』やジャン=リュック・ゴダール監督の『勝手に逃げろ/人生』などで知られるフランスを代表する女優のひとり。常磐さんも憧れの女優という彼女の活躍も見逃せない(※チケットは予約完売、当日若干枚あり)。

『モカ色の車』 Moka ©Pyramide Distribution

 

■ 『ブラッディ・ミルク』(24日上映)
昨年の「カンヌ国際映画祭」監督週間で特別上映され、今年のセザール賞で作品賞・主演男優賞・助演女優賞の三冠に輝いた話題作。主演のスワン・アルローが来日している。明日のフランス映画を担う彼の才能に注目。カンヌで大きな話題になった作品や俳優を、その直後のタイミングに日本で観られるのは映画ファンにとって大きな喜びだ。

『ブラッディ・ミルク』 Petit Paysan ©2017 M.E.S. PRODUCTIONS – MONKEY PACK FILMS – CHARADES – LOGICAL PICTURES – NEXUS FACTORY – UMEDIA

 

サイン会で映画人に出会える!

上映後に作品の監督や出演俳優たちが観客の質問に答えてくれたり、サイン会で直接にふれあえたりするのも、作り手の想いを聞くことを直接に聞くことができ、映画への感想を伝えることのできる映画祭ならではの嬉しい機会だ。

サイン会実施の上映作品はhttp://unifrance.jp/festival/2018/latest/453/
で確認。 

サイン会参加の注意(主催者発表):
※サイン会には各上映チケットの半券をお持ちの方が参加いただけます。
※整理券は各上映チケットをお持ちの方を対象に上映1 時間前から先着順に配布いたします(枚数に限りがございます)。
※終了時間は未定です。
※予告なく変更、中止、終了となる可能性がございます。予めご了承下さい。

映画館で公開作品を観るのと映画祭で映画を観るという体験はまったく違うもの。フランス映画祭には独特の空気感が漂っている。映画の作り手や出演俳優と直接に触れあうこともできるわくわくの非日常空間をぜひ味わってほしい。おりしも、横浜は日仏交流160周年を迎え、「横浜フランス月間2018」を開催中、フランスの香りにたっぷりと包まれに訪れたい。


イベントinformation

フランス映画祭 2018
Festival du film français au Japon 2018

http://unifrance.jp/festival/2018/

スケジュール:6月22日~24日 通常上映 イオンシネマみなとみらい
会    場: イオンシネマみなとみらい
プログラム :フランス映画最新作の上映(14 作品)
       その他、トークショー等、サイドイベントを実施

当 日 券:
販売開始時間:該当作品上映当日 9:00
販売場所:イオンシネマみなとみらい内、当日券販売デスク      
※現金のみでの販売となります。
※レシートは発行いたしません。領収書が必要な方はその場でお申し付けください。
※アンスティチュフランセ会員の方は当日券販売デスクで販売している当日券に限り、特別価格1200円でご鑑賞頂けます(予約不可・要会員証)。
※枚数に限りがございます。なくなり次第、販売終了。


フランス映画祭2018 関連企画:
『Gaumont 映画誕生と共に歩んできた歴史』展

1895年の創業から現在まで、120年以上に渡る歴史を誇る世界最古の映画制作会社“Gaumont(ゴーモン)”。いつの時代も映画界の新しい才能に光を当て、豊かなフランス映画の発展に貢献してきました。
本展覧会では、1000本以上におよぶゴーモン映画の代表作から、映画のポスターや名シーンの上映、またゴーモン博物館の所蔵品から貴重な資料や、Gaumontのアーカイブなどを特別に展示し、ゴーモン映画が映画誕生と共に歩んできた歴史を辿る旅へと誘います。
https://www.yokohama-akarenga.jp/event/detail/584

日時:~6月24日(日)11:00~19:00(最終入場18 :30)
会場;赤レンガ倉庫1号館
入場料:無料
お問合せ;アンスティチュ・フランセ横浜 TEL:045-201-1514

※イベント内容・スケジュールは直前で変更される場合もあります。詳細は主催者のホームページ等でご確認ください。