
Choi Jeong Hwa《breathing flower》, Honolulu Biennale,2017
観たいものをスケジュール帳にメモしてプランをつくる
ヨコハマトリエンナーレ2017を核とした8月4日(金)~11月5日(日)の期間中は、市内で実に多くのプロジェクトが行われます。これらの展覧会や舞台公演を自分の趣向で繋いでいくと、あたかもアートフェスティバルかのような楽しみ方ができます。
とはいえ、様々な生活がある中でアートの鑑賞に費やせる時間は限られてくるもので、スケジュールの遣り繰りをしてできるだけ短期間に多くを巡りたいという方も多いでしょう。そこで、今回の「応用編」では、ヨコハマトリエンナー2017期間中のマイ・スケジュールを組み立てる観点で情報を編集しました。
展覧会や公演のスケジュールを組むときにチェックするのは、発表形態。大きく2つに分かれます。
一つ目は、美術の展示系です。これらは数週間から1ヶ月超程度にわたり、期間中はほぼ毎日開催されています。日程を決める際、選択の幅があります。
二つ目は舞台公演系、これらは開催の日時が限られています。1時間から2時間程度の作品を劇場内等で集中して観ます。席にかぎりがありますので前売り券を買うことも必要です。どうしても観たい舞台系の作品があれば、まずは舞台系からスケジュールを組み立てることをお勧めします。
それでは、どの週末に何が観られるのか?くわしくご紹介していきます。
*ヨコハマトリエンナーレ2017、BankART Life V、黄金町バザール2017ほか、メインのプログラムの紹介は「基礎編」をご参照ください。なお、これらのメインプログラムは8月4日(金)~11月5日(日)開催されていますが、第2、4木曜日(8/10、8/24、9/14、9/28、10/12、10/26)は休場ですので、下記スケジュールとの組み合わせをされる際は、ご注意ください。
8/4(金)~8/6(日)の間に観られる
YCC Temporary 鬼頭健吾
馬車道駅直結のYCC ヨコハマ創造都市センターでは、鬼頭健吾さんによる展覧会「YCC Temporary鬼頭健吾」が開幕。身近にある既製品を用いて、動き、反復、複雑さなどを取り入れながら美術作品を制作する作家として知られている鬼頭さんの、フラフープと布を使った新作の大型インスタレーションを展示します。
会期:2017年8月4日(金)〜9月17日(日)
時間:11:00~18:00(金土祝は19:30まで)
会場:YCC ヨコハマ創造都市センター 3階
住所:横浜市中区本町6-50-1
入場料:500円(高校生以下入場無料)※高校生は要学生証提示
http://yokohamacc.org/yct/kengokito/

鬼頭健吾「untitled (hula-hoop)」(2017) / ハラ ミュージアム アーク「Multiple Star I」での展示風景 Photo: 木暮伸也
アウトオブトリエンナーレ《盜賊たちのるなぱあく》
港町・横浜の戦後復興を支えた労働者の街、いまや福祉の街となった・寿町では、劇団「水族館劇場」による“巨大廃園” 「アウトオブトリエンナーレ《盜賊たちのるなぱあく》」が開園。9月の芝居公演に先がけ、野外劇場に併設された”移動遊園地“で、写真やインスタレーション展示、講演などさまざまな企画が予定されています。会田誠さんの交流サロン「芸術公民館」は、8月中は毎週土曜に開館予定。8月5日には、会田館長の来館も!
会期:2017年8月3日(木)〜9月17日(日)
※イベント等がない日は休園。詳細はWEBまで
時間:16:00〜20:30
会場:寿町総合労働福祉会館 建替え予定地(横浜寿町労働センター跡地)
住所:横浜市中区寿町4-14-1
入場料:カンパ制
http://www.suizokukangekijou-yokohama2017.com
http://www.suizokukangekijou-yokohama2017.com/program.html
8/7(月)~8/13(日)の間に観られる
8/14(月)~8/20(日)の間に観られる
8/21(月)~8/27(日)の間に観られる
>>前週からの継続開催
・YCC Temporary鬼頭健吾
・アウトオブトリエンナーレ《盜賊たちのるなぱあく》
※イベント等がない日は休園。詳細はWEBまで
8/28(月)~9/3(日)の間に観られる
KAAT Dance Series 2017 / Nibroll結成20周年
KAAT×Nibroll『イマジネーション・レコード』
9月に入り、注目なのが舞台公演。8月29日からは、横浜で旗揚げしたNibroll(ニブロール)の結成20周年公演がKAATで開催。ダンス作品にこだわりつづけてきたニブロールがあらためて身体について考察し、言葉、映像、音楽、スペース、そして10年ぶりのオーディションで選ばれたパフォーマーとともに、身体というフィルターをとおして、世界を見つめなおします。
期間:2017年8月29日(火)~2017年9月3日(日)
時間:平日19:30〜/土日14:00〜
会場:KAAT 神奈川芸術劇場 大スタジオ
住所:横浜市中区山下町281
入場料:一般3,500円・24歳以下1,750円・高校生以下1,000円
※全自由席・入場整理番号付
※未就学児入場不可

「世界は縮んでしまってある事実だけが残る」犬島公演 Photo:宮脇慎太郎
もうひとつの この丗のような夢 寿町最終未完成版
水族館劇場の芝居公演《もうひとつの この丗のような夢 寿町最終未完成版》も、いよいよ9月1日から開幕。寿町で、この夏にしかあり得ない一大ページェント(大仕掛けな野外劇)。完成すること無く役者陣が作り続ける舞台は、会期初期と後半の変化を楽しむのもオススメです!
期間:2017年9月1日(金)〜5日(火)/13日(水)〜17日(日)
時間:18:30〜20:30
会場:寿町総合労働福祉会館 建替え予定地(横浜寿町労働センター跡地)
住所:横浜市中区寿町4-14-1
入場料:前売4,500円・電話予約4,700円・当日4,800円
※チケットは8/3より販売開始
http://www.suizokukangekijou-yokohama2017.com

「この丗のような夢・全」(2017年、東京・新宿花園神社)
>>前週からの継続開催
・YCC Temporary鬼頭健吾
・アウトオブトリエンナーレ《盜賊たちのるなぱあく》
※イベント等がない日は休園。詳細はWEBまで
9/4(月)〜9/10(日)の間に観られる
>>前週からの継続開催
・YCC Temporary鬼頭健吾
・アウトオブトリエンナーレ《盜賊たちのるなぱあく》
※イベント等がない日は休園。詳細はWEBまで
9/11(月)〜9月18日(月・祝)の間に観られる
日産アートアワード2017:ファイナリスト5名による新作展
国際的な視点で才能ある日本人アーティストを選出し、活動を支援する日産アートアワード。BankART Studio NYKでの展覧会では、題府基之さん、藤井光さん、石川竜一さん、田村友一郎さん、横山奈美さんの5人のファイナリストによる渾身の新作を堪能できます。
期間:2017年9月16日(土)~11月5日(日)
※第2・第4木曜休館
※9月27日(水)は、イベント開催のため一般入場不可
会場:BankART Studio NYK 2F
住所:横浜市中区海岸通3-9
http://www.nissan-global.com/JP/CITIZENSHIP/NAA/
YCC Gallery 日産アートアワード・コレクション
YCCでは、日産アートアワード2013で審査員特別賞を受賞した西野達さんによる「ペリー艦隊」のコレクション作品の展示も18日からスタート!
会期:2017年9月18日(月・祝)〜11月5日(日)
時間:11:00〜19:30(最終日は17:00まで)
場所:YCC ヨコハマ創造都市センター 1階ギャラリー
入場:無料
http://yokohamacc.org/ycg/nissanartaward/

西野 達 「ペリー艦隊」 2013 image: h. 90.0 × w.134.7 cm ライトジェットプリント
Tatzu Nishi “Perry’s squadron” 2013 image: h. 90.0 × w.134.7 cm Lightjet print
©Tatzu Nishi, Courtesy of URANO / Photo by Ichiro Mishima
>>前週からの継続開催
・YCC Temporary鬼頭健吾(17日まで)
・アウトオブトリエンナーレ《盜賊たちのるなぱあく》(17日まで)
※イベント等がない日は休園。詳細はWEBまで
・もうひとつの この丗のような夢 寿町最終未完成版(17日まで)
9/19(火)〜9月24日(日)の間に観られる
新・今日の作家展2017 キオクのかたち/キロクのかたち
桜木町駅をはさんでみなとみらい地区と反対に位置する横浜市民ギャラリーでは、「新・今日の作家展2017」がスタート。「ヨコハマトリエンナーレ2017」横浜美術館会場での展示にも出展している画家の瀬尾夏美さんと映像作家の小森はるかさんをはじめ、土地や歴史の調査、人々へのインタビューなど、自己の外部にあるもの・過去の事物との接触を制作過程に取り入れて作品を発表する4組の作家を紹介します。
日ノ出町〜黄金町の京急線高架下エリアで開催されている「黄金町バザール2017」とのハシゴがオススメです。
会期:2017年9月22日(金)〜10月9日(月・祝)
時間:10:00〜18:00(入場は17:30まで)
場所:横浜市民ギャラリー 展示室1、B1
住所:横浜市西区宮崎町26番地1
入場:無料
http://ycag.yafjp.org/our_exhibition/new-artists-today-2017/

笹岡啓子≪PARK CITY≫2016【クレジットマーク】Keiko Sasaoka
>>前週からの継続開催
・日産アートアワード2017:ファイナリスト5名による新作展
・YCC Gallery 日産アートアワード・コレクション
9/25(月)〜10/1(日)の間に観られる
>>前週からの継続開催
・日産アートアワード2017:ファイナリスト5名による新作展
・YCC Gallery 日産アートアワード・コレクション
・新・今日の作家展2017 キオクのかたち/キロクのかたち
10/2(月)〜10/9(月・祝)の間に観られる
ヨコハマ・パラトリエンナーレ2017
第2部 -発表 『不思議の森の大夜会』
障害者と多様な分野のプロフェッショナルが協働して創り上げる「ヨコハマ・パラトリエンナーレ2017」がクライマックスに!象の鼻パークを舞台に、これまで市民とともに準備してきたツアー型パフォーマンス、空間インスタレーション、音楽、食のプロジェクトが一つになる大夜会が開催されます。
日時:2017年10月7日(土) 18:00~21:00(公開リハーサル)
2017年10月8日(日)、9日(月・祝)16:00~21:00
会場:象の鼻テラス、象の鼻パーク
内容:コンセプト&ドキュメント展示、会場構成(空間インスタレーション)、パフォーマンス・ステージ、アート・ステージ、フード・ステージ
料金:入場無料
*特別有料プログラム(ツアー型パフォーマンス「不思議の森の大夜会」フルコース)あり
*天候により一部プログラムが変更になる場合あり
>>継続開催
・日産アートアワード2017:ファイナリスト5名による新作展
・YCC Gallery 日産アートアワード・コレクション
・新・今日の作家展2017 キオクのかたち/キロクのかたち
10/10(火)〜10/15(日)の間に観られる
Creative Waterway – 川と海でつなぐ創造の拠点
YCC Temporary チェ・ジョンファ
みなとみらいの海辺に、韓国を代表する現代アーティスト、チェ・ジョンファさんの作品が出現。海からも陸からも⾒える場所で、ピンク⾊の蓮の花がゆっくりと呼吸しているかのように動きます。この期間は、秋風も気持ちよくなってきて、港を彩るアートの風景に誘われ、移動の足どりも軽くなりそうです。
会期:2017年10月15日(日)〜11月5日(日)
会場:日本丸メモリアルパーク 芝生広場内
住所:横浜市西区みなとみらい 2−1−1
http://yokohamacc.org/yct/choijeonghwa/
>>継続開催
・日産アートアワード2017:ファイナリスト5名による新作展
・YCC Gallery 日産アートアワード・コレクション
・Creative Waterway – 川と海でつなぐ創造の拠点YCC Temporary チェ・ジョンファ
10/16(月)〜10/ 22(日)の間に観られる
KAAT ×高山明/Port B
『ワーグナー・プロジェクト』
―「ニュルンベルクのマイスタージンガー」―
現実の都市や社会に介入する活動を展開してきた高山明/Port Bによる新作がKAATで上演。サイファー、ライブ、クラブイベント、ラジオ放送、映像配信、プレスセンター、ラップのワークショップ、ワーグナーやヒップホップについてのレクチャーやトークイベント、ファッションショー、グラフィティなどで構成された複数の時空間が同時多発的に立ち上がります。

©江森康之
会期:2017年10月20日(金)〜10月28日(土)
会場:KAAT 神奈川芸術劇場 大スタジオ
住所:横浜市中区山下町281
入場料:8月下旬~9月上旬チケット発売予定
>>継続開催
・日産アートアワード2017:ファイナリスト5名による新作展
・YCC Gallery 日産アートアワード・コレクション
・Creative Waterway – 川と海でつなぐ創造の拠点YCC Temporary チェ・ジョンファ
10/23(月)〜10/29(日)の間に観られる
>>継続開催
・日産アートアワード2017:ファイナリスト5名による新作展
・YCC Gallery 日産アートアワード・コレクション
・Creative Waterway – 川と海でつなぐ創造の拠点YCC Temporary チェ・ジョンファ
・KAAT ×高山明/Port B『ワーグナー・プロジェクト』―「ニュルンベルクのマイスタージンガー」(28日まで)
10/30(月)〜11/5(日)の間に観られる
スマートイルミネーション横浜2017
文化の日を含む期間中最後の週末は、街中に開かれた恒例のアートイベントが開催されます。「スマートイルミネーション横浜」は、国内外のアーティストが参加する光の祭典。歴史的建造物などのライトアップはもちろんのこと、参加体験型のインスターレション、ワークショップ、イベントなど、多種多彩なアート表現が「もうひとつの横浜夜景」を生み出す国際アートイベント。
会期:コアフェスティバル=2017年11月1日(水)~5日(日)
会場:象の鼻パーク、横浜都心臨海部
入場:無料
<アートプログラム参加予定アーティスト>
市川平、Kateryna Snizhko(ウクライナ)、川辺ナホ、北村康恵、木村崇人、日下淳一、Jaime Ibanez(オランダ)、スイッチ総研、曽谷朝絵、髙橋匡太、千田泰広、原倫太郎、平澤賢治、Martina Stock(オーストリア)、森貴之、Lilian Bourgeat(フランス)ほか

Smart Illumination Yokohama 2012 / photo: Hideo Mori
関内外OPEN!9 ライフ&フェス~日常がまつりになる~
夜のスマートイルミネーションと共に楽しめるのが昼の「関内外OPEN!」。さまざまなジャンルのアーティストや、クリエイターの制作現場を訪れることができます。アート、デザイン、建築、ファッション、食。いつもの街をクリエイターと共に楽しむ、横浜ならではの生活文化を体験できるフェスです。
会期:2017年11月3日(祝・金)〜11月4日(土)
※開催日時は各イベントによる
会場:関内駅周辺の街中の約40の会場
※詳細追加発表

関内外OPEN!8の風景(建築設計事務所、みかんぐみ)
>>継続開催
・日産アートアワード2017:ファイナリスト5名による新作展
・YCC Gallery 日産アートアワード・コレクション
・Creative Waterway – 川と海でつなぐ創造の拠点YCC Temporary チェ・ジョンファ