ヨコハマトリエンナーレ2017を街ごと楽しもう!横浜アートガイド<基礎編>

Posted : 2017.07.27
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いよいよ8月4日に開幕が迫った、ヨコハマトリエンナーレ2017「島と星座とガラパゴス」。会期中は、セット券で入場できる連携プログラムをはじめとしたアートイベントが、街中で目白押し。そこで創造都市横浜WEBマガジン編集部では、横浜の街を丸ごと楽しめるよう8月4日(金)~11月5日(日)に行われるイベントを「基礎編」「応用編」にまとめて発信します。まずは、横浜に滞在するのは1~2日間、短期間でヨコハマトリエンナーレ2017に加えてアートの街・横浜を体験したい方に向けた「基礎編」からお届けします!

アイ・ウェイウェイ(艾未未)
《安全な通行》 2016
《Reframe》 2016
ヨコハマトリエンナーレ2017展示風景(横浜美術館)撮影:加藤健 © Ai Weiwei Studio
写真提供:横浜トリエンナーレ組織委員会

 

いつ、何が観られるの?

メイン期間は、8月4日(金)~11月5日(日)。この間にアート、演劇、ダンス、音楽、映画など様々な催しが行われます。この全会期にわたって開催されるのが「ヨコハマトリエンナーレ2017」。「BankART LifeV 観光」「黄金町バザール2017–Double Façade 他者と出会うための複数の方法」の3つ。これらは“展示”に関しては休場日(第2・4木曜日)を除き、いつでもご覧いただけます。

ここに加えて、ヨコハマトリエンナーレ2017が、日にち限定で実施する「ヨコハマラウンド」と呼ばれるトークや「ヨコハマスクリーニング」という上映会や鑑賞ワークショップ、ツアーなども開催。

また、同時期に近隣エリアで行われる展覧会、舞台公演も見逃せないものばかり。

水辺で行われる「Creative Waterway -川と海でつなぐ創造の拠点」。象の鼻テラスで開催される「ヨコハマ・パラトリエンナーレ2017」や「スマートイルミネーション横浜2017」。馬車道駅に直結した歴史建造物内で展示されるインスタレーション「YCC Temporary 鬼頭健吾」。横浜発の世界レベルの現代美術賞「日産アートアワード」。100組を越える横浜の建築家やデザイナー等が参加する街なかフェス「関内外OPEN!9」。神奈川県民ホールでは横浜にて久々開催の大巻伸嗣「Memorial Rebirth」。

寿町の特設野外舞台で水族館劇場が行う『もうひとつの この丗のような夢 ~寿町最終未完成版』。KAAT神奈川芸術劇場が放つ、Nibroll『イマジネーション・レコード』や高山明/Port B『ワーグナー・プロジェクト』、STスポットで開催の範宙遊泳『その夜と友達』や東京デスロック『ARE YOU HAPPY ???〜幸せ占う3本立て〜』。などなど、魅力的なプログラムが目白押しです。

ヨコハマトリエンナーレ2017にあわせて来場するとアートに出会える街・横浜をより一層楽しめます。詳しくは次号の応用編でご紹介します。


まずは、主要な3つのプログラムをご紹介!

この基礎編は、「ヨコハマトリエンナーレ2017」、「BankART LifeV」、「黄金町バザール2017」の3つを中心にご紹介します。


どこで行われるの?アクセスは?会場間の移動は?

ヨコハマトリエンナーレ2017の会場は、「横浜美術館」「横浜赤レンガ倉庫1号館」「横浜市開港記念会館」の3か所。まずは、メインとなる横浜美術館へアクセス。みなとみらい線のみなとみらい駅、JR・市営地下鉄の桜木町駅から歩いてすぐです。
ヨコハマトリエンナーレ2017の3つの会場とセットで楽しむ近くの展覧会場「BankART Studio NYK(旧日本郵船海岸通倉庫)」「日ノ出町・黄金町の京急線高架下エリア」を結ぶのが会場間の無料バス。ジェニー・ホルツァーの作品でもあり、横浜美術館と横浜赤レンガ倉庫の2ヵ所を往復する大型バスと、横浜美術館、赤レンガ倉庫、BankART Studio NYK、黄金町エリアの4カ所を巡回する小型バスがあります。
大型は30分(増便時15分)間隔、小型は60分(増便時30分)間隔。土日祝の昼間は増便されます。これらは、会期中ヨコハマトリエンナーレ2017チケットをお持ちの方がご利用いただけます。これで暑い日も雨の日も安心ですね!

チケットは?どこで買うの? 事前購入がオススメ!

 「ヨコハマトリエンナーレ2017」「BankART LifeV」「黄金町バザール2017」はいずれも有料です。それぞれの単独チケットもありますが、オススメなのがお得なセット券です。前売の期間が終了しても、当日券をインターネットで購入できます。事前購入ですと、チケット売り場で並ばずにすぐに会場へ入ることができます。


どれくらいの時間で観られるの?(鑑賞時間の目安)

一カ所だけであれば最短で1時間~2時間強、複数をじっくり観れば1~2日かかります。編集部オススメのコースは、1泊2日。えーっ、それは時間かかる!と思われるかもしれませんが、是非この機会にどっぷりと美術の世界と横浜の街に浸るのはいかがでしょうか?現代美術は、観るのに時間がかかる映像作品もあります。また、会場が街に広がっていますので、美味しい物を食べたり買い物したりと寄り道を是非。

まずは、「ヨコハマトリエンナーレ2017」で1日。この3つの会場は、横浜の海側のエリアに集まっています。海に開かれた美しい景観と港町ならではのハイカラな雰囲気が魅力です。
そして、「BankART LifeV」、「黄金町バザール2017」をあわせて1日。こちらはいま人気のスポット“野毛”などの下町の人情味あふれる町の賑わいを感じられるエリアを回遊できます。

もちろん、観光や出張等で時間にかぎりがある方や、子ども連れで長時間はちょっと…という方は、横浜美術館のみ1時間半~2時間強過ごすだけでも心動かされるでしょう。お近くの方は何度か再訪するのも有りですね!

チケットの使い方ですが、ヨコハマトリエンナーレ2017の3つの会場(横浜美術館、横浜赤レンガ倉庫1号館、横浜市開港記念会館地下)に会期中1回ずつ入場できます。(別日程も可)。入場当日は、同一会場に限り再入場できます。「BankART LifeV」「黄金町バザール2017」のチケットは何度でも再入場可能です。

 

現代アートよくわからないのですが・・・

そんな方に向けてお薦めなのが、ヨコハマトリエンナーレ2017について、作品のガイドやアーティストインタビューを無料でお楽しみいただける「ヨコハマトリエンナーレ2017音声ガイドアプリ」。今回、アプリを快適にお使いいただくため、横浜美術館、横浜赤レンガ倉庫1号館、横浜市開港記念会館の全3か所の会場で「Free Wi-Fi」が整備されています。鑑賞の喜びをより深く、是非ご利用ください!
(8月4日追記)


子どもは楽しめるの?

もちろん、楽しめます。小中学生向けのヨコハマトリエンナーレ2017の鑑賞パンフレットもあり、3つのプログラム共に中学生以下無料です。未就学児もOKですが、お子様へのお約束、鑑賞マナーをお守りいただきますようお願いします。
そして、美術館のスタッフが案内する子ども向けの鑑賞ワークショップも。3年に一度、世界中の作品が集まるこの機会、子ども達の夏休みの貴重な体験にいかがでしょうか?

鑑賞ワークショップのイメージ


観るだけ?買うことやSNSでシェアできるの?

観るだけではなく、持ち帰れる喜びも!横浜美術館のショップはもちろん、横浜赤レンガ倉庫1号館には、この期間中だけの公式ショップ「SHOPトリエンナーレ2017」も登場します。ここでは、ヨコハマトリエンナーレ2017の公式グッズはもちろん、横浜市内で活躍するクリエーターが制作した商品も多数販売されます。
また、会場の間に位置する馬車道駅そばの北仲エリアでは、これまで横浜のアートシーンに関わってきた人々による期間限定のギャラリーショップ「creative Shop & Gallery 北仲COOP」がお目見え。数百人の作家による数千点の作品を観て買うことができます。

そして、InstagramやFacebookにあっと驚く写真をあげたい!という方、それぞれの会場の鑑賞ルールや撮影ルールに沿って、お楽しみください。

 

それでは、何が観られるのか、もっと詳しく紹介します!


ヨコハマトリエンナーレ2017「島と星座とガラパゴス」

今回メインとなるのは、「ヨコハマトリエンナーレ2017」。2001年からはじまる国際現代美術展で今年6回目を迎えます。世界中から当代一流のアーティストたちの作品が集まります。”現代美術は時代の鏡”、まさに世界の“今”を感じられる展覧会となるでしょう。
会場はみなとみらいにある横浜美術館と横浜赤レンガ倉庫1号館、そして今年100周年を迎えた横浜市開港記念会館と、港町横浜の歴史と景観が凝縮された場所を巡りながら展覧会を楽しめます。

本展が掲げる<“「接続」と「孤立」”をテーマに、世界のいまを考える>。現代社会は、資本主義や近代化の行く先として世界的に様々な課題を抱えています。横浜は開港の地として、日本の近代化の出発点となった歴史があります。そうしたことも踏まえて作品をご覧いただくと、ちょっと世界の見方が変わるかもしれません。この機会にじっくりと美術に向きあう時間を過ごすのはいかがでしょうか?

参加アーティスト:横浜美術館=アイ・ウェイウェイ(艾未未)、ジョコ・アヴィアント、マウリツィオ・カテラン、オラファー・エリアソン、畠山直哉、川久保ジョイ、木下晋、ミスター、ケイティ・パターソン、アン・サマット、横浜赤レンガ倉庫1号館=小沢剛、クリスチャン・ヤンコフスキー、横浜市開港記念会館=柳幸典 ほか

ザオ・ザオ《プロジェクト・タクラマカン》2016


期間
:2017年8月4日(金)〜11月5 日(日)
※第2・4木曜(8/10、8/24、9/14、9/28、10/12、10/26)は休場
時間:10:00〜18:00
※10/27(金)〜29(日)、11/2(木)〜4(土)は20:30まで
※いずれも入場は閉場の30分前まで
会場:横浜美術館/横浜赤レンガ倉庫1号館/横浜市開港記念会館 地下
住所:横浜市西区みなとみらい3-4-1/横浜市中区新港1-1/横浜市中区本町1-6
入場料:[ヨコハマトリエンナーレ2017鑑賞券]
    一般1,800円/大学・専門学校生1,200円/高校生800円/中学生以下無料
    [ヨコハマトリエンナーレ2017セット券]
    一般2,400円/大学・専門学校生1,800円/高校生1,400円/中学生以下無料
    ※セット券を「BankART Life V」、「黄金町バザール2017」の各会場で
    提示すると会期中有効なパスポートと引換
    ※前売券は共に300円引、販売は8月3日(木)まで
    ※障がいのある方とその介護者1名は無料
主催:横浜市、(公財)横浜市芸術文化振興財団、 NHK、朝日新聞社、 横浜トリエンナーレ組織委員会

http://www.yokohamatriennale.jp

パオラ・ピヴィ 《I and I(芸術のために立ち上がらねば)》 2014
Photo: Guillaume Ziccarelli Courtesy of the Artist & Perrotin

 


BankART LifeV 観光

馬車道駅のすぐ近く海岸通りにある日本郵船の元倉庫をアートスペースにリノベーションしたBankART Studio NYKが「NYK ISLAND 森と花と海の神秘な世界」に変身。35才以下のアーティストが代わる代わる個展を開く「U35」や週末を中心としたパフォーマンスイベント「Cafe Live 2017」、誰も気づかない横浜の魅力を再発見する「YTB(横浜旅行案内所)」などのプログラムが満載です。

横浜美術館が世界と接続する出発点だとしたら、ここは横浜の都市の歴史と人を巡る“観光”の出発点です。1953年生まれのコンクリートの荒々しい空間に咲く花畑と海を彷徨いながら、建築家により封印された光の部屋(島)を訪ね歩きます。河岸には、草木が繁茂し、動物たちがポツネンと存在する楽園が出現。水上の家を訪ねる事もできます。そこから馬車道周辺の歴史的建造物へと移動し、野毛・黄金町と川沿いをくだれば、港町横浜の華やかなる一面とは少し違う顔が見られることでしょう。

参加アーティストは、 みかんぐみ、丸山純子、高橋啓祐、中谷ミチコ、鈴木理策、ほか多数。

期間:2017年8月4日(金)〜11月5 日(日)
※第2・4木曜(8/10、8/24、9/14、9/28、10/12、10/26)は休場
時間
:10:00-19:00(10/27-29, 11/2-4は21:30まで)
会場
:BankART Studio NYK ほか
住所:横浜市中区海岸通 3-9
入場料:会期中有効のフリーパス1,000円
    または横浜トリエンナーレ2017セット券
主催:BankART1929

http://www.bankart1929.com/kanko/

 


黄金町バザール2017 –Double Façade 他者と出会うための複数の方法

アーティストの日常的な活動場所として、まちを開いてきた「黄金町バザール」。会場となる日ノ出町駅から黄金町駅の京急高架下にひろがるエリアは、かつて違法な売買春街だった場所です。ここで活動するNPOが地域や警察、行政などと協力しながら今やアーティストが創作活動するエリアへと変化させてきました。
10回目の節目となる今回はゲスト キュレーターに窪田研二氏を迎え、双方向から働きかけ合う関係、そして互いの異質性を理解しながら、互いに敬意をもって共存することができる世界について問いかけることをテーマに開催します。
地域とアート、都市の再開発とアートの関係について様々な議論が広がる昨今、それを読み解く鍵は10年続けてきたこの街にあるのかもしれません。また、ここにある地域の課題は現代社会の課題にも通じています。ここでは、”アート”の様々な面を見られるかもしれません。皆さまも、アートとこの街の未来を一緒に考えてみませんか?

タイを拠点に活動するヴォーグ・ダンサー、サン・ピッタヤー・ペーフアンによる市民参加型ワークショップやBallroomイベント、作曲家・西井夕紀子と地域住民による「不満の合唱団 in 黄金町」、松蔭浩之による地域住民を招いた「お金のかからないオークション」など、スペシャル・プログラムを多数開催。参加アーティストは、キャンディー・バード、Chim↑Pom、プ・ユン、空族+スタジオ石+YCAMほか、総勢25組。

期間:2017年8月4日(金)〜11月5 日(日)
※第2・4木曜(8/10、8/24、9/14、9/28、10/12、10/26)は休場
時間
:11:00-18:30 ※10/27-29、11/2-4は11:00-20:30
会場
:京急線「日ノ出町駅」から「黄金町駅」間の高架下スタジオ、周辺のスタジオ、既存の店舗、屋外空地、他
入場料:会期中有効のフリーパス700円(中学生以下無料)
    ※当日券のみ、一部無料会場あり
    またはヨコハマトリエンナーレ2017セット券
主催:認定 NPO 法人黄金町エリアマネジメントセンター、初黄・日ノ出町環境浄化推進協議会

http://www.koganecho.net/koganecho-bazaar-2017/

キャンディー・バード《Staring station》2016年

 


SHOPトリエンナーレ2017

トリエンナーレの主会場となる横浜赤レンガ倉庫1号館に、ヨコハマトリエンナーレ2017認定グッズショップ「SHOPトリエンナーレ2017」がオープンします。本ショップでは、家具、ファッション、食品、ステーショナリー、書籍など個性溢れる多彩な商品「ヨコハマ・クリエイターズグッズ」が勢揃いするとともに、それらを制作した横浜市内で活躍する約40組のクリエイターにスポットを当てます。また、ショップのシンボルアートは第一線で活躍するグラフィックアーティスト永井一正氏が手掛け、様々な商品にも展開されます。

期間:2017年8月4日(金)〜11月5 日(日)
時間:10:00-19:00
会場
:横浜赤レンガ倉庫1号館1階
住所:横浜市中区新港1-1
運営・販売株式会社エクスポート

https://www.facebook.com/SHOP-トリエンナーレ2017-1357205787702818/

伊東祥次《ブリスタークロック》

SHOPトリエンナーレ2017シンボルアート「金平糖」

 


creative Shop & Gallery 北仲COOP

汽車道の向こうにランドマークタワーを望む再開発中の北仲地区では、この地から広がったクリエイター拠点の輪が生み出した、幅広い層のアーティストのグッズを集めたミュージアムショップが開設されます。数百人のクリエイターによる数千点もの商品が展示・販売される。期間中はトークイベントやオークションも。

 

期間:2017年8月4日(金)〜11月5 日(日)
※第2・4木曜(8/10、8/24、9/14、9/28、10/12、10/26)は休場
時間
:11:00-19:00
会場
:仮設北仲BRICK
住所:横浜市中区北仲通5-25-1
入場料:ヨコハマトリエンナーレ2017セット券で無料、本展のみ入場の場合は200円
主催:北仲COOP開催実行委員会(横浜創造界隈共同体)


Creative Waterway –川と海でつなぐ創造の拠点

港町ならではのアートプロジェクトがこちら、夏から秋にかけて気持ちが良い横浜の水辺。船に乗って移動したら最高の気分です。
今回の企画では、BankART Studio NYKや黄金町バザール等アートスペースの近くにある水辺でアート作品を展示。また海沿い「象の鼻パーク」の桟橋から、大岡川沿い「日ノ出桟橋」までを水路(Waterway)でつなぎ、演劇作品と共に楽しむアートクルーズが運航されます。
この航路は、正に横浜の歴史そのもの。創造性あふれるアートを水上で鑑賞・体験できるクルーズに参加して船から街を眺めると、きっといつもと違う横浜の姿が浮かび上がってくることでしょう。ヨコハマトリエンナーレ2017期間中だからこそできる特別企画。この機会をお見逃しなく、是非お楽しみください。

会期:2017年8月4日(金)- 11月5日(日)【作品によって展示期間は異なります。】
料金:無料。アートクルーズは有料、事前申込制
会場:横浜都心臨海部(大岡川〜象の鼻パーク周辺)
主催:横浜市
企画:創造界隈拠点

http://www.creative-waterway.net

Photo by Yasuyuki Kasagi

 

次回、応用編はこの期間に開催される数々のプログラムを紹介します。8月4日配信予定です。ご期待ください!