PHOTO YOKOHAMA 2017を楽しもう!(鑑賞編)

Posted : 2017.02.17
  • facebook
  • twitter
  • mail
横浜では、3月まで「撮る、みる、楽しむ。写真の祭典 PHOTO YOKOHAMA 2017」が開催されている。開港以来、写真について深く広い歴史を持つ街・横浜にふさわしく、この時期、街中が写真関連のイベントで盛り上がる。写真の名作、話題作が並ぶ企画展も絶賛開催中、フォトヨコハマ体験は、まずこれらの鑑賞から始めよう。

必見! 魅力が異なるふたつの写真展覧会―横浜美術館

 横浜美術館では、現在「篠山紀信展 写真力 THE PEOPLE by KISHIN」が開催されている。
50余年に渡って、日本の商業写真界のトップを走り続ける篠山紀信の一大回顧展だ。展覧会は故人のセレブの肖像「GOD」、魅力あふれる現役セレブ「STAR」、非日常の面白さ「SPECTACLE」、肉体の美しさを極めた「BODY」、肖像写真に見る震災「ACCIDENTS」の5つに分類されている。膨大な篠山紀信の作品の中から、選りすぐった120点が大型パネルに仕立てあげられ、鑑賞者は平面写真というより作品のある空間と対峙する。迫ってくるような写真は見る人を圧倒する。篠山紀信は「美術館の大空間とインパクトのある写真との戦い。空間力VS写真力。鑑賞ではなく体感!」とうたっている。

同時に開催されている横浜美術館のコレクション展も見応えがある。日本の写真の黎明期に重要な役割を担った横浜にちなんで、横浜美術館は写真コレクションの充実をはかってきた。今回の展示は4200点もの写真コレクションの作品の中から、「昭和の肖像」「マシン・エイジの視覚革命」の2つの特集展示に、480点を超える作品が並ぶ。今回はそのほとんどがモノクロ写真。いずれもその時代の名作写真で、時代風俗の記録というだけでなく、写真そのものの美しさも兼ね備えている。

篠山紀信 《ジョン・レノン オノ・ヨーコ》 1980年

師岡宏次《午後の銀座裏 七丁目金春通りにて(東京銀座シリーズ)》
1937 年(昭和12)師岡宏次氏寄贈
ゼラチン・シルバー・プリント、20.0×29.7cm

 

「篠山紀信展 写真力 THE PEOPLE by KISHIN

会期:2017年2月28日まで(休館日木曜※2017年1/5、2/23を除く)
時間:10時~18時、2/23(木)は16時まで、2/24(金)は20時30分まで。(入館は閉館の30分前まで)
会場:横浜美術館
住所:横浜市西区みなとみらい3-4-1
アクセス
みなとみらい駅(みなとみらい線)徒歩5分
桜木町駅(JR京浜東北・根岸線、横浜市営地下鉄ブルーライン)徒歩10分
料金
一般1,500円、大学・高校生900円、中学生600円、小学生以下無料、65歳以上1,400円(要証明書/美術館券売所でのみ対応)
*コレクション展料金含む 

 

「横浜美術館コレクション展2016年度第3期」

料金以外:同上
料金
一般500円、大学・高校生300円、中学生100円、小学生以下無料
*コレクション展単体で観覧する場合。

 http://yokohama.art.museum/index.html

 


 

毎年恒例。現代写真と写真の歴史をひもとくふたつの展覧会―横浜市民ギャラリーあざみ野

横浜市民ギャラリーあざみ野は、毎年この時期に「あざみ野フォト・アニュアル」として写真の“今”を語る現代写真家を取り上げた企画展と横浜市所蔵カメラ・写真コレクション展を開催している。今年の企画展は「新井卓 Bright was the Morning―ある明るい朝に」。
新井卓は、ダゲレオタイプという写真黎明期の19世紀前半に開発された写真撮影法を用いて作品を制作している。写真の原点とも呼ばれるこの技法は、テクノロジーが進んだ現代の写真とは、プロセスも撮影にかける時間も全く異なる。時間の積層によって生まれる写真は「小さなモニュメント」であると新井は考える。はかない今をつなぎ止めようとして生まれた写真は現実よりはるかに美しく見える。写真の魅力を今いちど確認できる貴重な体験だ。

実は横浜市は日本でも有数の写真関連のコレクターだ。カメラ、作品、資料などのコレクションは1万点にのぼる。横浜市民ギャラリーあざみ野では、毎年そのコレクションをテーマに沿って公開している。今年のテーマは「写真—時間の位相」。時間をテーマに約100点が展示される。貴重な写真やカメラ、そして機材などを見ることができるとあって、毎年この展覧会のシリーズを楽しみにしているカメラファンも多い。

2014 年3 月23 日, 比治山公園より西北西に見かけの高度570m の太陽, 広島「EXPOSED IN A HUNDRED SUNS /百の太陽に灼かれて」シリーズより| 2014 |ダゲレオタイプ| 19.3 × 25.2cm

縄跳び/ハロルド・E・エジャートン/1952年/ゼラチンシルバー・プリント

 

あざみ野フォト・アニュアル 

新井卓展「Bright was the Morning―ある明るい朝に」

平成28年度横浜市所蔵カメラ・写真コレクション展「写真―時間の位相」

会期:2017年2月26日(日)まで(会期中は休館日なし)
時間:10:00~18:00
会場:横浜市民ギャラリーあざみ野
住所:横浜市青葉区 あざみ野南1-17-3
アクセス:あざみ野駅(東急田園都市線、横浜市営地下鉄ブルーライン)徒歩5分
料金:無料

http://artazamino.jp/

 


 

時代を映す写真を見る—日本新聞博物館、みなとみらいギャラリー

日本新聞博物館では東京写真記者協会加盟の写真記者が撮影した2016年のニュース写真を展示している。昨年の出来事を思い返すとともに、重要な報道のツールとしての写真の価値を再確認する展示会だ。

「オバマ米大統領、平和への声明」
被爆地広島を訪れ、声明を発表する
オバマ米大統領
=広島市平和記念公園
(2016年5月27日 読売新聞)

 

 

「2016年報道写真展」

会期:2017年3月26日(日)まで(月曜休館、月曜日が祝日・振替休日の場合は次の平日)
会場:日本新聞博物館
住所:横浜市中区日本大通11
アクセス
日本大通り駅(みなとみらい線)3番情文センター口直結
関内駅(JR京浜東北・根岸線、横浜市営地下鉄ブルーライン)徒歩10分
料金:一般400円、大学生300円、高校生200円、中学生以下無料

http://newspark.jp/newspark/

 

みなとみらいギャラリーでは2015年と2016年の日本広告写真家協会公募展で受賞した作品や、小・中学生の図工、美術の授業で撮影された優れた作品を展示する。話題になった広告写真や若い世代のユニークな視点が「今」を如実に物語る。

APAアワード2016 経済産業大臣賞
フォトグラファー 岩切 浩三郎

 

 

「APA(日本広告写真家協会)写真展」

会期:2017年2月23日(木)、24日(金)、26日(日)
会場:みなとみらいギャラリー
住所:横浜市西区みなとみらい2-3-5 クイーンズスクエア横浜 クイーンモール2階
アクセス
みなとみらい駅(みなとみらい線)徒歩3分
桜木町駅(JR京浜東北・根岸線、横浜市営地下鉄ブルーライン)徒歩10分
料金:無料

http://www.mmgallery.jp/

 

===========================

 

フォト・ヨコハマ2017 【PHOTO YOKOHAMA 2017

会期:2017年1月~3月
会場:横浜市内の集客施設(パシフィコ横浜ほか)、文化施設(横浜美術館、新聞博物館ほか)、企業など
主催:フォト・ヨコハマ実行委員会
後援:文化庁、観光庁、神奈川県、横浜商工会議所
お問い合わせ先
フォト・ヨコハマ2017事務局
電話:03-3545-8131、平日のみ午前10時~午後5時
メールアドレス:photoyoko@nikkansports-ag.co.jp

http://www.photoyokohama.com