ものづくりの裏側を見る
普段は入れないクリエイターのオフィスやアトリエを訪ね、作品を見たり、クリエイターと交流できるのが関内外OPEN!の醍醐味。エリア内では、歴史的建造物の一室や、オフィス街の古い空きビル、古民家など、いたるところがアートやデザイン、建築、写真、アニメーションなどの創造の場として活用されている。

関内外OPEN!7の様子(宇徳ビルヨンカイ)
今年は多様なジャンルのアーティストやデザイナーが集う「宇徳ビルヨンカイ」、神奈川新聞連載中のキャラクター「ブルーダル」を生み出したデザイン事務所「NDCグラフィックス」、馬車道商店街150年記念ロゴデザインや水陸両用バスのラッピングデザインを手がける天野和俊デザイン事務所、横浜の街をつくるランドスケープデザイナー集団「stgk(スタジオゲンクマガイ)」のオフィス、通年約50組がアーティスト・イン・レジデンスプログラムに参加する黄金町エリア、元ストリップ劇場をセルフリノベーションしたシェアスタジオ「旧劇場」、横浜橋商店街ほど近くの古民家をアーティストが活用する「patio-labo(パティオラボ)」、そして寿町の空き部屋を活用したホステルやシェアハウス・シェアカフェの中を覗くことができる。
スタジオによっては、ツアー形式で内部を案内するところも。エリアごとに回遊できるよう、それぞれ実施時間が設定されているので、行きたいスタジオのスケジュールをチェックして、コースを考えておくのがおすすめだ。

関内外OPEN!7の風景(NDCグラフィックス)
クリエイターに”教わる”
いくつかのスタジオでは、クリエイターと一緒にものづくりが体験できるワークショッププログラムが用意されている。帆布生地を使ったマイバッグ、レコードのくり抜き部分を使ったオーナメント、秋の果実や木の実を使ったリース、写真の紙焼きポストカードなど、持ち帰りできるものがほとんど。話を聞くだけでなく、プロのアイデアや感性、技に身近に触れられる貴重な機会だ。
横浜市認定歴史的建造物のインペリアルビルの一室にある「無厳庵」での茶道体験や、馬車道にある彫刻家の武久絵里さんのスタジオで行われる、参加者それぞれの「伸び」を考える「あなたのexercise」もあり、ほかではないユニークな時間の過ごし方ができそうだ。

関内外OPEN!7のワークショップ風景より(stgk)
建築や街づくり、映画を語らう
今年はトークイベントも充実。2011年に惜しまれながら閉店した老舗洋食店「梅香亭」の店舗を会場に行われる芸術不動産セミナーでは、東京と金沢で建物を1棟リノベーションして宿泊事業を展開している二人のプレーヤーを招き、これからの防火帯建築の可能性を考える。
今年7月に設立10周年を記念してミニシアター「横浜シネマリン」で特集上映を行った映像グループ「ローポジション」の事務所では、ドキュメンタリーの作り手が自作を持ち寄って鑑賞・対話を通じて学び合う映像サークル「風の集い」を開催。作り手に限らず、映画製作に興味のある人は参加することができる。
そのほか、LAUNCH PAD GALLERYでは版画家・絵本作家の石田マキさんによる自作絵本の読み聞かせ、mass×mass関内フューチャーセンターでは”全米住みたい街NO1”ポートランドのツアー報告会、建築家ユニット「みかんぐみ」事務所ではメンバーで東北芸術工科大学教授でもある竹内昌義さんによる「これからの時代のエコな家づくり」についてのレクチャー、小泉アトリエでは建築や街づくりの話をおかずにお酒を楽しむ「ヨルコイズミ」が開かれる。
各プログラムの開催時間・参加料金など詳細は、関内外OPEN!8ホームページで。

関内外OPEN!7トークイベント風景より(みかんぐみ)
【イベント概要】
関内外OPEN!8
期間:2016年11月5日(土)、6日(日)11:00頃~20:00頃
会場:馬車道、元町・中華街、関内、桜木町、石川町各駅周辺のスタジオ約30拠点、関内の路上
料金:無料(一部有料)
http://kannaigai.yafjp.org/