Kazuki Yamada Photo: Marco Borggreve
僕とこのオーケストラでなければできない音楽をお届けします
「指揮者・山田和樹」、クラシック・ファンならずともご存知の方は多いのではないだろうか。2009年に最難関の指揮者の登竜門、ブザンソン国際コンクールで優勝して以来の、世界での目覚ましい活躍ぶりで若手の注目株だ。その山田さんは神奈川県秦野市出身、指揮者になろうと決意したのは横浜市内の高校の部活動でのことだ。
横浜を愛する山田さんが、イギリスの名門、バーミンガム市交響楽団を率いて、ゆかりの深い横浜みなとみらいホールに登場する。このコンサートの魅力を山田さんから紹介していただこう。
バーミンガム市交響楽団は、あのベルリン・フィルの首席指揮者サイモン・ラトルから長年の薫陶を受けたことで知られる名高いオーケストラ。何度も指揮をしている山田さんから見て、どんな魅力のあるオーケストラなのだろうか？
「音楽することが人生の喜びにつながっている。そんな人たちが集まったオーケストラです。イギリスというと紳士淑女のかしこまったイメージが強いかもしれませんが、日ごろは冗談が飛び交うユーモア精神に溢れた人々で、”楽しく音楽をしている”という活き活きとした雰囲気も持ち合わせています」
Photo: Neil Pugh
そんなオーケストラからどんな音楽を引き出そうとしているのだろう。
「ラトルをはじめ錚々たる指揮者が若い時にこのオーケストラを指揮して、意気投合して音楽づくりを担うようになったんです。伸びやかな精神性を持ったオーケストラなので、僕ものびのびと、僕とバーミンガム市交響楽団とでしかできない音楽を作り出し、瞬間瞬間で生まれてくる音楽をお届けしたいです」
神奈川県秦野市生まれ、横浜で遊び、学んで育った山田さん。現在は、スイス・ロマンド管弦楽団やモンテカルロ・フィルハーモニーなどの常任ポストをはじめ、世界中を飛び回って活躍しているが、横浜という街にはどんな想いがあるだろうか？
「友達と会ったり、デートをしたりというと、いつも横浜に行きました。行くたびに新しいビルができていて、まるで近未来都市のようにきらきらと輝く街でした。高校は、横浜市旭区にある希望ヶ丘高校。自由な校風で知られるこの学校の吹奏楽部に所属し、2年生の時に学生指揮者を任されたこと、それからの泣いたり笑ったりの悪戦苦闘が今の僕の土台を作ってくれました。僕にとっては青春時代そのもの、思い出のたくさん詰まった街です」
横浜みなとみらいホールへの出演も数多く、世界的な指揮者となった今も、横浜に活動拠点を置く横浜シンフォニエッタの音楽監督を務めつづけるなど、横浜は現在も山田さんにとって重要な場所だ。
「横浜の街にコンサートホールができて、人々が憩い始めると、温かいものが宿ってきたのは嬉しいことですね。やはり横浜みなとみらいホールが大好きです。今まで何回ステージに立たせていただいたか、何回客席に座ったか、数えきれません。また横浜みなとみらいホールの舞台に立てること、そして同じく横浜出身の若きヴァイオリニスト・山根一仁くんとともに協奏曲を奏でることができること、横浜のみなさんにお会いできることが楽しみでなりません」
ぜひ、山田さんが大事にする街、横浜のコンサートホールへ出かけ、一度かぎりの音楽の生まれる瞬間に立ち会ってみよう。
【コンサート情報】
山田和樹 指揮／バーミンガム市交響楽団
山根一仁（ヴァイオリン）
プログラム：ウェーバー：歌劇「オベロン」序曲
チャイコフスキー：ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35
シベリウス：交響曲 第2番 ニ長調 作品43
山根一仁（ヴァイオリン）Photo: k.miura
【イベント概要】
日時：2016年6月29日（水）19：00
会場：横浜みなとみらいホール
アクセス：
みなとみらい駅（みなとみらい線）徒歩3分
桜木町駅（JR京浜東北線・根岸線、横浜市営地下鉄ブルーライン）徒歩12分
料金：S席：12,000円、A席：10,000円、B席：8,000円、C席：売切（全席指定）
チケット購入方法:
横浜みなとみらいホールチケットセンターTEL045-682-2000
チケットぴあ 0570-02-9999 http://pia.jp/t/
神奈川芸術協会 045-453-5080
e＋（イープラス）http://eplus.jp/
ローソンチケット 0570-000-407
横浜みなとみらいホールインターネット申込
お問い合わせ先：横浜みなとみらいホールチケットセンターTEL045-682-2000
