ちょこっと仕事場おみせします
Vol.02「横濱帆布鞄」

Posted : 2014.03.05
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横浜で活動する建築家やデザイナー、アーティストたちの仕事場をシリーズでご紹介。日々、クリエイティブな活動が展開される現場を見れば、不思議とそこで働く方の人柄も見えてくる。デスクの上におもむろに置いてあるマグカップからこだわりのインテリアまで、ちょこっと仕事場のぞかせてください!

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「横濱帆布鞄(よこはまはんぷかばん)」

 みなとみらい線の馬車道駅からほど近い、運河沿いにある「創造空間 万国橋SOKO」。1968年築の古い物流倉庫をリノベーションし、2006年にデザイン事務所やアニメーションスタジオが入居するオフィスとして生まれ変わったこの場所で、横浜ならではのモノづくりが行われている。
今回ご紹介するのは、徹底したこだわりをもって作られた独自ブランド「横濱帆布鞄」を製造販売する「ユー・エス・エム株式会社」。横濱帆布鞄の開発者であり代表取締役である鈴木幸生(ゆきお)さんと、スタッフのみなさんがいらっしゃる工房(兼店舗)におじゃましました。

 

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第1号として作られた鞄は、横浜トリエンナーレ2011のオフィシャル商品として認定され、販売が始まった。

 

「横浜ならではのデザイン」

横濱帆布鞄で使用している素材は、海上自衛隊の船舶などにも採用される森野帆布船具工業所のオリジナル・ビニロン(※)。ナイロンに対抗して、日本が独自に開発した化学繊維だ。海上自衛隊のスペックに合わせた特殊加工が施され、防水であることはもちろんの事、耐光性、耐久性にとても優れている。
(※)森野帆布船具工業所…大正3年(1914年)帆布・ロープを中心とした船具加工業として横浜で創業。現在、日本で2社しかないといわれる帆船メーカーで、100年を迎える老舗工場である。

 

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代表取締役の鈴木幸生さん

「大衆にむけたデザインではなく、ある程度自分と同じ感性を持った人に向けて作っています。どこまでお客さんに伝わるかの挑戦ですね」

現在、約30種類のバッグがあり、そのデザインはすべて鈴木さんが手がけている。前職のアパレル雑貨業界でコンサルティング、マーケティングに長らく携わってきた鈴木さんは、ヒット商品を出しても、すぐに他社に真似されてしまうことに疑問を感じていた。

 

 

「横浜市の市外局番をバッグの表面にプリントするのがアイコンになってます。“044”や“046”といった他の数字にはないバランスが“045”には備わっている気がします…もともと横浜が持ってるオシャレさみたいなものですね」

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素材や機能性だけではなく、ステッチをかける糸の色選びから取っ手の位置や長さまで、
ひとつの商品にさまざまなこだわりがみえる。

 


 

お気に入りの仕事道具
-そのワケとは?-

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SEIKO社製のポストミシン。
新品だと1台100万円するものもあるとか。

 

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一番のミシンの使い手、渡辺 巧(たくみ)さん

【ポストミシン】

 バッグの取っ手や、細かい場所を縫うのには平台ミシンより断然縫いやすいが、布を乗せる台が小さいので扱うにはかなり技術がいる。

 「古いヤツなのに、よく言うことを聞いてくれる。パワーも音もすごい。ド、ド、ド、ド、といったぐあい」

 

 

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好きな言葉

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自分におごらず。自分を主張するために。謙虚に人の考えに耳をかたむけ、学ぶ姿勢が大切。

 


 

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プロフィール

横濱帆布鞄(ユー・エス・エム 株式会社)

店舗兼工房: 横浜市中区海岸通4-24万国橋SOKO#104