クリエーターをつなぐ『旅するコンフィチュール』

Posted : 2013.11.22
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今年10月、関内に工房をオープンした無添加ジャム『旅するコンフィチュール』。オープンまでには、代表・違(ちがい)克美さんの熱意と、たくさんのクリエーターの協力が欠かせなかった。次々と広がる彼らの輪。そのひとり、グラフィックデザイナーの天野和俊さんにもお話を伺いながら、ジャム工房立ち上げ秘話に迫る。
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撮影協力: Archiship Library&Cafe

 

人を惹きつけてやまない違さんの魅力
応援したくなるまっすぐな想い

●DSC_2743幼いときからお菓子をつくっていたという違さん。アメリカ在住中に現地のお菓子が口に合わず、自分でつくったが失敗。失敗すると材料がもったいないうえに、食べたら太る。失敗したくないから習おう!と、帰国後、料理学校でフランス菓子を学ぶことに。自身でも食べ歩き、フランス旅行時にはマルシェで材料を買って、キッチンでジャムをつくっていたそう。その経験が無添加ジャム『旅するコンフィチュール』誕生へとつながっていく。

 

●DSC_2741パッケージなどのグラフィックデザインを依頼されたのが、天野和俊さん。以前からお菓子のパッケージなどを多く手掛けてきた天野さんは、違さんから初めて事業プランを聞いたときに一言、「やめてはどうだろうか?」。
衝撃。なぜそんなことを?

「飲食でも失敗している人を見てきたから。でももう(違さんの)心は固まっていたんですよね」。初期投資の大変さやジャムの利益率、家族の存在などを心配しての言葉だったが、心を決めた違さんを知り、それならばと同じ船に乗り込んでくれた。

「ある意味、楽しませていただいている」と笑う天野さん。彼だけではない。『旅するコンフィチュール』に関わる人は、みんな楽しんで集まってくる。違さんのまっすぐな想いと真面目な人柄が彼らを惹きつけ、応援したい気持ちにさせるのだ。

 

はじまりはここから

DSC_9498遡ること3年前。カフェの立ち上げスタッフとして横浜で仕入れ先から探し始めた違さんは、地産地消のお店のオーナーシェフと知り合う。そこから食関係のつながりが次々と生まれていった。そして今年3月、イベントでの出品を頼まれ、ジャムを販売した違さんは、大きな成果を上げたのだ。趣味でつくっていたジャムが商品へと生まれ変わった瞬間だった。

同3月。本格的にジャムを事業化しようとしたとき、違さんの周りにはすでにたくさんの生産者さんがいた。そうして彼らの野菜や果物を使ったジャムが誕生したのだ。

 

NOGAN(ノガン)から広がるネットワーク

関内外交流会ジャム横浜で幅広い人脈をもち、多くのプロジェクトやデザインを手掛ける「NOGAN」のメンバーは、以前からの違さんの良き友人だ。彼女の名刺をデザインしたのも彼ら。そしてやはり3月、ジャム事業が動き出したとき、違さんのこれまでの経験を聞いたNOGANはあるキャッチフレーズを生み出す。――『旅するコンフィチュール』だ。

アメリカやフランスでのお菓子やジャムづくりなど、「自分が旅した中で知識と技術を身に付けてきたから、“旅”というキーワードが出てきたと思う」と違さん。そして、フランス語でジャムを意味する「コンフィチュール」。後にブランド名となる『旅するコンフィチュール』がここで産声をあげた。

クリエーターを支援する、ACYの担当者を紹介したのも彼ら。さらに、NOGANは(冒頭にも登場した)グラフィックデザイナーの天野さんにもつなげてくれたのだ。

 

決戦は10月3日
追い込まれていく違さん&天野さん

7月にNOGANから天野さんへと渡ったデザインのバトン。8月にはあるイベントでジャムデビューが待っており、それまでにロゴをつくるという急ピッチ作業が進められる。そのうえ、天野さんは10月3日を工房のオープン日とし、パーティー開催も提案。その招待状もイベントで配ろう!と、自身をも追いこんでいく。デザインの域を超えて事業を考えてくれる天野さんは、もはやプロデューサーだ。

131122ロゴ最終天野さんはまた、キャッチフレーズ『旅するコンフィチュール』をブランド名にと提案し、そのロゴに小鳥をあしらった。「渡り鳥とか青い鳥とか、小鳥が何か運ぶというのが旅とつながるし、違さんの雰囲気にも合うんです。ジャムとつなげるためにスプーンをくわえさせました」という天野さん。工房の内装にあわせた色合いや書体も、違さんの女性らしい雰囲気にぴったりだ。その工房も同時進行でつくられており、ビルオーナーやリノベーション会社、友人の塗装屋・塗料屋さん、またその知り合いへと広がっていった多くの支援のもと、無事オープンを迎えることができた。

 


150人が一堂に会したオープニングパーティー

見えてくる横浜の結束力

オープン当日、今まで関わってくれた人をはじめ、150人もの人たちが工房とパーティー会場に駆け付けた。お祝いのかわりにと、料理を手伝ってくれた友人のシェフたち。素材を提供してくれた生産者のみなさん。受付から何から手伝ってくれたNOGANチーム。みんな仕事としてではない、違さんを応援する気持ちからだ。横浜で度々感じる、この結束力はなんなのだろう?

レセプション (3)

さくらWORKS<関内>でのオープニングパーティーの様子

 

「まわりのシェフや食のお仕事をされている方々が、経歴や経験年数とは関係なく、私を食のプロとして受け入れてくれる。横浜で生まれ育った人もいれば、仕事で横浜に来たって人もいれば、みんなミックスしていて。でも“横浜に今いる”という共通項があればいいよねって。これが横浜じゃなかったら、今みたいなカタチにはならなかったんじゃないかな」と違さんは振り返る。さらに、「自分が興味あることを言っておくと、いろんな方が関わってくる。そこに異業種だからという壁がない」と。

東京みたいに数え切れない人がいるわけじゃない。見渡せば誰がいるか把握できるという横浜。多ジャンルの方々が至る所で笑い合う。そんな違さんのパーティーを見ていたら、ここならなんでもできるのではないかとさえ思えてくる。それが横浜創造界隈の面白さであり、エネルギーだ。何かを始めたいなら、まずは横浜でチャレンジしてはどうだろう。ワクワクする出会いがきっとあるはずだ。


●IMG_7933<旅するコンフィチュール>
公式オンラインショップ http://www.tabisuru-conf.jp/
Facebook https://www.facebook.com/tabisuru.conf
関内工房 横浜市中区相生町3-61泰生ビル402

◆12月より毎月第1土曜にオープン工房開催! お話ししながらの試食や、試作品販売などをご用意してお待ちしております
◆ジャムを使った料理やカクテルなどのレシピ紹介も計画中
◆結婚式場など記念日用ギフトも検討中。パートナー企業も探しておりますので、ご興味ある方はぜひお問い合わせください
◆季節ごとにジャムの種類は変わります。新着情報や在庫状況は随時Facebookでお知らせ致します