開幕した横浜音祭り2013 オープニングは大盛況

Posted : 2013.10.10
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横浜の街中にはためく青いフラッグ。音楽祭「横浜音祭り2013」が今、盛大に開催されていることを告げている。今年の横浜は例年よりもさらに音にあふれた賑やかな秋を迎えている。9月20日に開幕したこの音楽祭の模様をお伝えしよう。

日本丸の汽笛を合図に、ファンファーレで開幕!

薄暮に包まれた夕方6時。みなとみらい21地区、ランドマークタワーそばのドックに保存されている帆船日本丸が汽笛を鳴らした。「ボォーーー」の汽笛を合図に、4つの会場(日本丸メモリアルパーク、クイーンズサークル、グランモール公園、JR桜木町駅前)で、4つの吹奏楽団が『横浜音祭りファンファーレ』を一斉に演奏した。

日本丸メモリアルパークには、 洗足学園音楽大学 SYMPHONIC BRASS総勢39名による、鮮やかなファンファーレが響き渡った。指揮を行なったのは須川展也さん。日本を代表するサクソフォン奏者だ。須川さんの指揮の映像は、ほかの3会場にモニターで届けられた。その映像が流れる中、みなとみらい21地区の大型商業施設、クイーンズスクエアでは、林・横浜市長によって開幕が宣言された。「ようこそ、音楽の海へ。今日から72日間にわたって,300を超える音楽イベントが毎日のように開催されます。横浜は昔も今も、文化を発信する都市。どうぞ横浜に来て、音楽文化を存分に楽しんでください」。

吹奏楽が響いたオープニング・コンサート

7時になると 「横浜音祭りオープニング・コンサート」が開演した。このコンサートのテーマは、やはり吹奏楽。
実は、横浜こそ吹奏楽の発祥の地だ。1854年の横浜村へのペリー来航。ペリー提督は軍楽隊も連れてきた。日本人が初めて聞いた吹奏楽の響きだ。その後、薩摩藩が軍楽隊を結成、横浜市中区、山手地区にある妙香寺で練習したのだとか。これが日本の吹奏楽の始まりとされる。だから吹奏楽こそ、「横浜音祭り」のオープニングのテーマにぴったりなわけだ。
このコンサートで世界初演されたのが、ヤン・ヴァン=デル=ロースト作曲の『横浜音祭り序曲』。ヴァン=デル=ロースト氏は吹奏楽界では知らぬ者がいない超人気作曲家。この『序曲』のうちの冒頭部分が、6時に演奏された『横浜音祭りファンファーレ』だ。その全曲が、須川展也氏が率いる「横浜音祭り吹奏楽団」によって華やかに、色彩豊かに初演され、コンサートはクライマックスとなった。

この「横浜音祭り吹奏楽団」は、大人気吹奏楽団のシエナ・ウインド・オーケストラと、横浜が誇るオーケストラの神奈川フィルハーモニー管弦楽団のメンバー、そして来日したベトナム国立交響楽団のメンバーが加わった、約80人からなる特別編成の吹奏楽団だ。この日限りのきらびやかな吹奏楽の音色に会場が酔いしれた。
フィナーレは、洗足学園の吹奏楽チームも交え、総勢172人で演奏したラヴェル『ボレロ』。ずっとコンサートを司会進行してきたデーモン閣下が最後のメロディを熱唱して加わり、圧巻の音量とうねるようなリズムに、会場はまさに「音楽の大海原」と化した。

 

熱狂のうちに「横浜音祭りオープニング・コンサート」は終演を迎え、聴衆は名残り惜しそうに、余韻を楽しみながら横浜みなとみらいホールを後にしていた。
11月30日まで開催される「横浜音祭り」。今日も横浜のどこかで音楽が聴ける。
公式ウェブサイトでチェックしてあちこち出かけてみてはいかがだろう。

<横浜音祭りオープニング・コンサート>
日時:9月20日(金) 会場:横浜みなとみらいホール 大ホール
出演:須川展也(指揮、サクソフォン)、デーモン閣下、鈴木隆太(オルガン)、横浜音祭り吹奏楽団

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