感動を抱えたまま、歩いて帰れる街。

Posted : 2016.03.22
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横浜の「今日・明日のイベント情報」を独自のセンスで選んで勝手にオススメするTwitter / Facebookアカウント「横浜トゥディ」代表のhamatoさん。彼もまた、横浜を愛してやまないひとりです。

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野毛の山のあたりに住んでいます。
 
自分の家から歩いて行けるところで面白いイベントがたくさん行われていることの嬉しさを、この街が好きなみなさんと分かち合いたくて、「横浜トゥディ」というTwitterアカウントを始めて6年が経ちました。

この街、横浜は毎日楽しいイベントであふれています。高島屋そごうでは毎週のように、よだれが出そうな味自慢の即売会。秋の赤レンガの風物詩「オクトーバーフェスト」をはじめ、美味しいお酒のイベントにも枚挙に暇がありません。オシャレが好きなら、通常のセールシーズンに加えて「時期ずれセール」の元町チャーミングセールが待っています。パシフィコ横浜の展示会にも一般人が入れる面白いものがたくさん。楽しいことを企てている人たちもたくさん住んでいて、セミナーや交流会に顔を出しはじめたら止まりません。そして、夜景。いつもながらきれいな港町の眺めも、マリンタワーをはじめ、その色を変える日がいくつもあります。

そんな、みんなに教えたくなる素敵なイベントの数々の中でも、どうしても個人的に思い入れのあるものは、人が作る作品が、それに対峙する私たちの心を動かす、そんなアートのイベントです。

ここではアートを広い意味で捉えたいと思います。

横浜美術館BankART1929ではいつもスケールが大きく刺激的な展覧会が開かれているし、そごう美術館もしばしば興味津々な展示があったりします。黄金町界隈の個性的なアートシーンにも、象の鼻テラスで行われるインスタレーションの数々にもワクワク。市民サークルの気軽な作品展も多い神奈川県民ホールギャラリー横浜市民ギャラリー(関内から野毛に越してきてくれました)では、たまにギャラリー渾身の企画展が開かれるのが楽しみでしかたありません。石川町界隈などにある小さなギャラリーたちも、クイーンズスクエアの大きな吹き抜けが印象的なみなとみらいギャラリーも、意外な作品に出会える素敵な場所です。

 
蔡國強展「帰去来」(横浜美術館) Photo:OONO Ryusuke

蔡國強展「帰去来」(横浜美術館) Photo:OONO Ryusuke

 
原田賢幸×山田裕介「あったもの。なくなったもの。おもいだせないもの。」展 (高架下スタジオ Site-A ギャラリー)Photo:OONO Ryusuke

原田賢幸×山田裕介「あったもの。なくなったもの。おもいだせないもの。」展(高架下スタジオ Site-A ギャラリー)Photo:OONO Ryusuke

 

映画だってアートですよね。ワールドポーターズイオンシネマコレットマーレブルク13で大作を観ることもありますが、やっぱりジャック&ベティシネマリン横浜ニューテアトルといった単館上映系に心躍りますし、日本初の短編専門映画館・ブリリアショートショートシアターや、去年オープンしたばかりの日本最小級!フィルム上映の映画館・シネマノヴェチェントなんかも気になるのです。

お芝居やミュージカルだって大好きなのです。KAAT神奈川芸術劇場ができてから、どこに行ってでも観たいくらいの公演を地元横浜で観られる機会が格段に増えてとても嬉しく思っています。そうかと思うと、横浜駅西口のSTスポットでは昔から下北沢もうらやむ個性的な小劇団が公演を重ねています(年間パスポートがあったら欲しいくらいだ!)。そういえば、落語だって忘れちゃいけません。野毛のにぎわい座はもちろん、その地下にあるのげシャーレ、そして関内ホールからも名演が聞こえてきます。

最後に、音楽。3度の飯より音楽が好きな私は、この街にサムズアップがあったり、試聴室その2があったり、ベイホールがあったり、みなとみらいホールパシフィコ横浜国立大ホールがあったり、県民ホールがあったり県立音楽堂があったりすることが、なにより嬉しいのです。野毛や馬車道に無数のジャズバーもあるし(なんならアナログレコードを聴きにちぐさやダウンビートにも行けますし)赤レンガ倉庫にはモーションブルーだけでなく1号館でもライブが多数、赤レンガ広場では春から秋まで野外フェスもいっぱい。美しい大さん橋にも美しい音楽が響くイベントがたくさんあって、私たち横浜トゥディも、活動5周年の日にここで特別な「くじらのおなかコンサート」を開催させていただいたことが良い思い出です。そしてライブハウスやホールだけでなく、野毛の酒場でのライブ企画も毎日のようにあり、触れるほど間近でアーティストの息遣いが感じられるのです。もうたまらないでしょ?

 
Photo:OONO Ryusuke

Photo:OONO Ryusuke

 
Photo:OONO Ryusuke

Photo:OONO Ryusuke

Photo:OONO Ryusuke

Photo:OONO Ryusuke

ファインアート、映像芸術、舞台芸術、そして音楽。この時、この場所でこそ出会える表現に出合い、「心を動かす」ことが私はなにより好きです。…そして、その感動を心に抱えて転がしながら、家まで「歩いて帰れる」ことが、私にとってはとても大事なことだと感じています。

車を運転しないので、東京で働いていれば行き帰りは京浜東北線か、はたまた東横線か。いずれにせよ、電車で帰る、ということになるわけです。もちろん、それは東京に遊びに出る時も同じ。電車なわけです。

夜の電車に乗ると、ちょっと「リセットされる」感じって、ありません?すこしほの暗い駅のホームから、煌々と蛍光灯の明かりにさらされる電車に乗り込む。ときに、混んでいれば、押し合い。仕事から帰る夜には、家に帰る前のその「リセット」が心地よい場合もあります。けれども、素晴らしい表現にふれ、感動してちょっと体が火照った感じで美術館やライブハウスから出てきたあとで、家にたどり着くまでに電車に乗ってしまうと、もっと味わっていたい余韻すら、「リセット」。ああ、もったいない。

家から歩いて行けるところに「感動できる場所」がたくさんあるということは、その感動を心に湛えたままこぼさずに、家まで歩いて帰ってこられる幸せな時間、幸せな日々を、より多く持てるということだと思うのです。また、そんな歩いて帰る道すがらの、風景の美しさ、趣深さも相まって、ああ横浜に住んでいてよかったなあ、としみじみ思うのです。素敵な夜の素敵な道なら、30分でも、1時間でも、歩いて帰りたくなるじゃないですか。…たまにはまっすぐ帰れずに、野毛の店明かりに吸い込まれてしまうこともありますが、まあそれはそれ、それも幸せな夜です。

感動を抱えたまま、歩いて家まで帰れる街。ここ横浜へ、ようこそ。


yokohamatoday【案内人プロフィール】
hamato (横浜トゥディ 代表)
横浜・野毛在住。サラリーマン。地元の楽しさを多くの人に知ってもらうために、横浜の「今日・明日のイベント情報」を独自のセンスで選んで勝手にオススメするTwitter / Facebookアカウント「横浜トゥディ」を2010年に思いつきで始める。2016年3月現在フォロワー4万人強、「横浜でいちばん、今日の横浜を知っている」が目標。現在は横浜大好きな4名のボランティアメンバーにより仲良く運営。いろいろなところに顔を出したり、たまにリアルでイベントをやったりして友達を増やすのが喜び。メンバー随時募集中。
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