横浜にジャズがあふれた2日間 14万人が酔った〈横濱JAZZ PROMENADE 2013〉

Posted : 2013.11.22
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横浜の街中にジャズの音があふれ、14万6000人が訪れた。10月12日(土)と13日(日)に開催された日本最大級のジャズ・フェスティバル「横濱JAZZ PROMENADE」は今年、過去最多のにぎわいとなった。盛り沢山な話題とともにその模様をお伝えしよう。

来場者数過去最多の大にぎわい

雲ひとつない見事な秋晴れに恵まれた。21回目を迎えた「横濱JAZZ PROMENADE2013」は過去最多の来場者を迎えて幕を閉じた。2日間の来場者数は14万6000人。ライブ演奏が行なわれた会場の数は51会場、ステージの総数は377回に上った。出演したミュージシャンの人数も、のべ2,910人。まさに日本最大級というスケールを自ら塗り替えることになった。そしてこのフェスティバルを支えたのは、「ジャズクルー」という名前で呼ばれる市民ボランティアたちだった。その数、400人。横浜はジャズを愛する熱い気持ちで結ばれ、それが大盛況につながった。

沸いた!石巻からやってきたジュニアジャズオーケストラ        

12日、「街角ライブ」会場のひとつ、クイーンズサークルには朝早くから多くの人が詰めかけた。東日本大震災被災地の宮城県石巻市の子どもたちによる「石巻ジュニアジャズオーケストラ・SWING LIBERTY PIRATES」の演奏を聞くためだ。ビッグバンドジャズの響きで地元、石巻地域の人たちを元気づけたいと、去年6月に結成された小学生から高校3年生までからなるグループだ。「全国の皆さんからのご支援へのお礼の気持ちを込めて演奏します」との挨拶で始めた堂々の演奏ぶりに、700人以上の観客が惜しみない拍手を送った。
彼らからメッセージが届いた;

「たくさんの人がいて緊張しました。でも、演奏していくにつれ、会場の人たちが笑顔になって、さらにアンコールまでしてくれて、とても良い経験になりました。中華街の料理は最高、マリンタワーからの景色も最高でした!!」(テナーサックス担当:Aさん)
「テレビや雑誌でしか見たことのない横浜のいろんな風景や、都会独特の雰囲気を肌で感じることができました。それをジャズオケの仲間といっしょに楽しめたことが収穫でした」(ベース担当:Tさん)

大橋巨泉が歌った

テレビタレントやジャズ評論家として知られる大橋巨泉が、久々にジャズ・ボーカルを披露した。次女でジャズ・ボーカリストの豊田チカと初めて登場、親子共演を果たした。椎名豊(ピアノ)トリオと三木俊雄(テナーサックス)の演奏に乗って繰り広げたボーカルは、関内ホール大ホールの満席の客席を沸かせた。

大橋巨泉(vo)豊田チカ(vo)with椎名豊(p)トリオ+三木俊雄 (c)Sunny

大橋巨泉からのメッセージだ;
「80歳近くなって、あんな大きなジャズ・フェスティバルに出たなんて信じられません。
でもやはりジャズが好きなのですね。久し振りで血が騒ぎました。
ジャズよ永遠なれ!」
また、豊田チカからも、
「久々の関内ホールは、『ジャズの街横浜』の熱気いっぱい!
大橋巨泉がジャズを歌う姿を一目見ようと集まってくださった往年のジャズボーカルファンの熱い声援の中、『息子に付き添う母親のような(?)気持ち』で歌ったので、不思議な幸せ感に浸った宵でありました」との感慨が寄せられた。

インターナショナルな顔ぶれが添えた彩り

今年の「横濱JAZZ PROMENADE」のもうひとつの特色は、海外からの出演者による「インターナショナル・ステージ」と題する特別ステージだった。オランダ、フィンランド、ルクセンブルク、カナダからのミュージシャンが勢揃いした。会場の横浜みなとみらいホールの聴衆は、横浜らしい国際色にあふれるステージに声援と喝采を送った。
彼らから届いた喜びのメッセージをお伝えしよう。

Gast Waltzing & Largo3

ガスト・ワルツィング(tp)&ラルゴ(c)YJP(撮影:クルー山田)

ガスト・ワルツィング&ラルゴ(ルクセンブルグ)より;

ありがとう。
素晴らしいロケーション。
素晴らしいホール。
素晴らしい音響。
完璧な運営。
ARIGATO

Gast Waltzing+Largo

 

 

 

 

Pekka Pylkkänen2

ペッカ・ピルカネン(sax)・グループ(c)YJP(撮影:クルー山田)

ペッカ・ピルカネン(フィンランド)より;

私たちのグループが横浜に招かれて演奏したことはとても光栄でした。美しい横浜みなとみらいホールでたくさんの熱狂的ジャズファンに迎えられて嬉しかったです。
横浜という街は活気に満ち、多様性があって、魅力的。大好きになりました。
私の音楽を届ける機会を得たことに感謝しています。これからも「横濱JAZZ PROMENADE」に出演できることを心から望んでいます。

Pekka Pylkkanen

 

 

 

 

Yuri Honing Acoustic Quartet2

ユリ・ホニング(sax)・アコースティック・カルテット(c)YJP(撮影:クルー岡部)

ユリ・ホニング(オランダ)より;

とても満足のいくステージを届けることができました。運営面のすべてが完璧でした。
またすぐに横浜に戻ってきたいです。ありがとう。

Yuri Honing

 

 

JP13 1013 横浜みなとみらいホール ジェシカ・スチュワート(vo,g,koto) (c)YJP(撮影:クルー岡部) (1)

ジェシカ・スチュワート(vo,g,koto) (c)YJP(撮影:クルー岡部)

ジェシカ・スチュワート(カナダ)より;

信じられないくらい素晴らしい体験でした。
横浜みなとみらいホールはこれまでに演奏した屋内会場の中で一番快適なホールでした。
生まれて初めて横浜にやってきて、電車のホームに降り立って、自分の顔の載っているこのフェスティバルのポスターを見たときの、その驚きといったら!感激でした。

Jessica Stuart

まさに街全体がステージ  

お馴染みのミュージシャンの熱い演奏を聞こうと、いくつもの会場が満員御礼となるにぎわい。アマチュアたちも負けてはいない。17の「街角ライブ」会場で205組が熱いジャズの音を響かせた。横浜の中高生のバンドが次々と出演したカップヌードルミュージアムパークは大きな声援に包まれた。横浜市内のジャズクラブ26店にも、大勢が詰めかけて、気迫のこもったセッションに聞き入った。
まさに街全体が大きなステージとなった。「横浜はジャズのふるさと、そして現在進行形」——こんなフレーズがぴったりだ。音楽の力が人を集め、結びつけることを実感した2日間だった。来年の出会いをまた心待ちにしよう。

JP13+1012+カップヌードルミュージアム+生田東高校+(c)YJP(撮影:クルー岡部)

カップヌードルミュージアムパークでの生田東高校の演奏(c)YJP(撮影:クルー岡部)

街角YCC_9802

ヨコハマ創造都市センターでの「街角ライブ」

JP13 1013 King’s Bar ジャム・セッション (c)YJP(撮影:クルー山田)

King’s Bar ジャム・セッション (c)YJP(撮影:クルー山田)