【追記】50人のアーティストの制作現場を体感しよう!  BankART Artist in Residence OPEN STUDIO 2016

Posted : 2016.05.26
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横浜を代表するアート拠点のひとつ、「BankART Studio NYK」では、国内外から集まった50組のアーティストがスタジオを構え、約2カ月にわたって滞在制作している。5月27日(金)からの10日間、この50区画のスタジオを一般公開する。アーティストたちの制作現場の熱気を体感しに行こう。(6月10日、BankART AIR 2016 特別展の情報を末尾に追加)

★IMG_8782

アーティストの意気込みと真摯な姿に触れよう

潮風を感じる横浜港の運河沿いに「BankART Studio NYK」はある。横浜のアート・ファンにはお馴染みの、元日本郵船海岸通倉庫を改装した、3階建て約3,000㎡という広大な空間だ。この2階と3階に、今年4月、公募で選出された50組のアーティストたちが入居した。約2カ月間、区画割りされた各自の空間は作品を生み出し作りあげるスタジオとなった。これがBankARTが力を注ぐ「アーティスト・イン・レジデンス」事業だ。そしてその制作現場が5月27日(金)~6月5日(日)の期間、「オープンスタジオ」となり、一般公開される。アーティストたちと直接に言葉を交わし、その姿を体感できるのがなによりの魅力だ。

3階_8633

アーティストの活動領域は、平面絵画、立体、映像、デザイン、建築、ダンス、写真、アート批評など、多岐にわたる。また、国内のみならず、アメリカ、チェコ、台湾などからのアーティストも参加している。「オープンスタジオ」では、作品の展示をする人、ワークショップを行なう人、通常の制作過程を見せる人などさまざまに想いのこもった表現を見せてくれるはずだ。

「オープンスタジオ」開催まで1週間に迫り、制作や公開準備の追い込みに入ったスタジオを訪ねた。

★BICOKONDO3階_8736

3階に上がると目の前にまず飛び込んでくるのは、ブルーの色彩。ニューヨークで活動しているBico Kondoさんのスタジオだ。「青い世界にこだわりがあります。絵を描くのは自分自身を知るため」と語る世界観に浸ってみては。

★SUZUKIMI_8732

その隣のスタジオでは対照的に赤と白の切り絵のようなモビールが目を引く。ベネズエラで上演される演劇のための舞台美術を製作中なのはSUZUKIMIさん。「C」の文字に込められた意味や牛乳パックを素材としているねらいを聞いてみたい。

★松田直樹_8623★松田直樹_8739

3階フロアの真ん中あたりでピンセットを手に黙々と細かい作業を続けているのは松田直樹さん。まるで真珠のように大切に扱われているのは、なんと米粒。2カ月間1日ひとつ、米粒で「うつわ」を作り続けた。その集積から何が見えるだろうか。

★河村ルミ3階_8645

窓越しの薄い光の中、河村るみさんは映像を使ったインスタレーションの制作に取り組んでいた。やはり日々の積み重なりを感じる作品だ。「オープンスタジオ」ではワークショップを行なう。

★石川理咲子_8652

石川理咲子さんは踊りながら描くライブペインティング・パフォーマンスのためのリハーサル中。

★森貴之_8615

光の作品を制作している森貴之さん。「イメージを他者と共有することを考えています」と話す。

★石花会3階_8734

石を積んで作るバランスアートの「石花」は最近人気急上昇中。「石花会」の5人のアーティストが参加して、一般の来場者が「石花」を制作するワークショップを開催する。

2階フロアでは21 組のアーティストが滞在制作をしている。

★川瀬浩介2階_8741

川瀬浩介さんは「ペアリング・グロッケンⅡ」といった音楽を視覚的に楽しめる演奏装置で知られるが、新たにエレクトリック・ギターによる演奏システムを開発中だ。「オープンスタジオ」でお披露目される。

アーティストトークliquidbiupi_8723

アーティストトークでの「リキッド・ライト・ショー」上映の様子

 

アーティストトークliquidbiupi_8714液体による光と色彩を楽しむ「リキッド・ライト・ショー」を制作し公開するのは「liquidbiupil」。「コンピューターを使わないアナログの良さや、生で見る体験を味わってほしい」と言う。

 

 

 

★似て非2階_8597

領域を超えた交流の場として、横浜のディープエリア若葉町で活動していた「似て非works」がBankARTに移動し、滞在制作をしていた。世界地図をテーマに交流の空間づくりをするのだそう。若葉町の頃の温かいアート空間が再び出現するだろうか。

アーティストの制作現場を体感し言葉を交わす機会が楽しみだ。日常にどんな新しい景色が見えてくるだろうか。

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(撮影; OONO Ryusuke)

【BankART Artist in Residence OPEN STUDIO 2016 参加アーティスト】

成清北斗/PH STUDIO/福島徹也/SayakaMotani Collective/秋山直子/今 裕子/開発好明/川瀬浩介/相模智之/
liquidbiupil/苫野美亜/廖 震平/橋本美和子/烏亭/窪田久美子/アートの綴り方vol.8 – HAMArt! 編集会議/
西井保奈美/高野萌美/片岡純也+岩竹理恵/似て非works/関本幸治/
Bico Kondo/木の片下桐/井上幸子/奥野美和/ヤナギハルヤス/近藤 南/SUZUKIMI(鈴木貴美子)/安田拓郎/
石花会/伊藤由貴×野本直輝× 宝塚大学田島悠史研究室/アートファミリー/石倉 潤/森 貴之/遠藤幹大+三上 亮/
石原 海/JITTER/松田直樹/岩永かおる/岸 柚伽 /安部治子+関 直子/桑波田 謙/Jan VALIK/關口佳明/
水谷厚太/Lyn CHURCHILL/河村るみ/石川理咲子/KAIE/柳 幸典


【イベント情報】
「BankART Artist in Residence OPEN STUDIO 2016」

会期: 5月27日(金)~6月5日(日)11:00-19:00

会場:BankART Studio NYK
最寄り駅:みなとみらい線馬車道駅ほか

入場無料
※オープニングレセプション:5月27日(金)19:00〜 一般参加費:¥500

お問い合わせ:BankART1929(BankART Studio NYK)

   TEL: 045-663-2812  studio@bankart1929.com

【6月10日追記】
BankART AIR 2016 特別展 
〜BankARTスクール「BankART義塾 part2」のゼミ生による〜

BankART1929の池田修代表を講師に、本年5月から開催された「BankART義塾 part2」は、アーティストを支え、社会とつなぐフリーランスのコーディネーターを目指す人のための実践ゼミ。今回、本ゼミの参加者24名それぞれが、「BankART AIR 2016」(※)参加作家の作品を自ら選び、企画したグループ展を開催いたします。BankART義塾受講生の成果発表であると同時に、今年も多様な作家の参加で盛り上がった「BankART AIR 2016」の作品の数々を改めて振り返っていただく絶好の機会です。
 
コーデォネーター【アーティスト】
秋山直子【秋山直子】/ 穴澤秀隆【KAIE】
稲吉 稔【片岡純也 + 岩竹理恵、西井保奈美 × 似て非 works】
棈木 勇【Bico Kondo】/ 安藤 誠【石川理咲子】
伊原夕紀子【Bico Kondo】/ 岡 宏【廖 震平】
荻野智視【伊藤由貴 × 野本直輝 × 宝塚大学田島悠史研究室】
菊水智佳【石花会】/ 金 知塋【石原 海】
斎藤照子【KAIE】/ 坂田恭平【近藤 南】/ 鈴木智惠【松田直樹】    
瀬藤悦弘【廖 震平】/ 高柳美枝子【水谷厚太】
津澤 峻【片岡純也 + 岩竹理恵】/ 富岡幾朗【関本幸治】
長岡卓也【関本幸治】/ 福島健士【西井保奈美 × 似て非 works】
山縣青矢【松田直樹】/ 山田絵美【松田直樹】
山本 直【三田村龍伸】/ リュウリン【Bico Kondo】
池田 修【河村るみ】

会期:2016年6月13日(月)〜20日(月) 
11:00〜19:00 入場無料(カンパ制)

※6 月 13( 月 ) は 20:30~になります。ご了承ください。

会場:BankART Studio NYK 2F
主催:「BankART AIR 2016特別展」実行委員会
共催:BankART1929

以下のイベントを開催予定。
◎オープニングパーティー 6月13日(月)20:30〜
◎シンポジウム「AIR大喜利」 6月20日(月)20:00〜21:00
登壇者:KAIE、三田村龍伸、Bico Kondo、片岡準也・岩竹理恵