気づきあう、感じあう パフォーマンスプロジェクト  SLOW MOVEMENT –The Eternal Symphony 1st mov.- 横浜公演

Posted : 2016.01.30
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2月6日(土)、7日(日)に横浜・象の鼻テラスで、誰もが参加して楽しむことのできるパフォーマンスが行なわれる。『SLOW MOVEMENT –The Eternal Symphony 1st mov.』がそれだ。どんどん広がりを見せている市民参加型のパフォーマンスプロジェクト「スロームーブメント」の楽しみ方を紹介しよう。
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SLOW MOVEMENT –The Eternal Symphony 1st mov.豊洲公演より Photo;Yukiko Koshima

大きな流れ、スロームーブメント

今回のパフォーマンスプロジェクトは、ステージを観客が鑑賞する単なる「公演」ではなく、「スロームーブメント」という仕組みに誰もが参加して楽しむというもの。年齢、性別、国籍、障がいの有無などを超えて集結した人々が、街中でワークショップや公開制作、パフォーマンスを繰り広げることで「多様性と調和」のメッセージを広めていくプロジェクトだ。

そのプロジェクトの一環として、1月16日、17日と2日間にわたって実施されたワークショップの様子を紹介しよう。イギリス・ロンドンから来日した演出家のジェニー・シーレイさんが、公演に出演する市民パフォーマーたちにさまざまな提案や働きかけを行なった。シーレイさんは、障がいのあるプロの俳優やスタッフによる劇団GRAEAE THEATRE COMPANYの芸術監督で、ロンドン・パラリンピック開会式共同ディレクターとして世界的に知られる。英語と手話を話しながら、どんどん参加者たちの積極性を引き出していった。

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ジェニー・シーレイさん

 

 

 

 

 

 

 

会場の「象の鼻テラス」では、象の鼻パークや海辺に遊びにきた家族連れがワークショップの様子を見守り、また、衣装部屋を覗いたり、衣装となる布を織機で織る体験に参加したりと、偶然の出会いを楽しんでいた。

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金井ケイスケさん

このプロジェクトのパフォーミングディレクターを務めるサーカスアーティスト、金井ケイスケさんは、
「ワークショップを重ねる体験を経て、多様なパフォーマーたちがお互いにわかり合うこと、発見をし合うことができるようになります」
と言う。公演については、
「観客とパフォーマーが一体化できるような仕掛けを考えていますから、ぜひ私たちの仲間になりに来てください」
と呼びかけた。

 

また、障がいを超えてパフォーマンスするための最先端のテクノロジーを楽しむことができるのも、このプロジェクトの大きな特徴だ。音を奏でる車いす「&Y(アンディ)01」も登場する。楽器をデザインするヤマハと、乗り物をデザインするヤマハ発動機が共同開発した。公演ではどんな活躍が見れるだろう。

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「&Y (アンディ) 01」

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SLOW MOVEMENT –The Eternal Symphony 1st mov.青山公演より Photo:427FOTO

 

この「&Y(アンディ)01」の開発も含め、「スロームーブメント」プロジェクト全体の総合演出とディレクションを手がけるのは、栗栖良依(くりすよしえ)さん。
「パフォーマンスを作っていくプロセスを、偶然にそこに居合わせた人たちが観て、感じてもらうことが大事です。公園の休憩所でもある象の鼻テラスではそれが可能になります」

栗栖さんはこのプロジェクトのために、「アクセスコーディネーター」(障がいのある人が創作活動をするための環境を整える人)や「アカンパニスト」(障がいのある人と共に創作活動をする人)という新しい役割を果たす人材を育成することにも取り組んでいる。「スロームーブメント」は最先端技術の開発から人材育成まで、さまざまな企業や多くの人がかかわる大きな流れを持つプロジェクトとなっている。

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この日のワークショップを経て、あらゆる人が共に楽しむことができる参加型パフォーマンスができあがる。人間の身体と先端技術の融合によって描かれるオーガニックな世界を体感しに、公演に出かけてみよう。


SLOW MOVEMENT –The Eternal Symphony 1st mov- in Yokohama

日時:2月6日(土)15:00-15:30 、2月7日(日)14:00- 14:30/16:00-16:30
会場:象の鼻テラス
入場料:無料
総合演出:栗栖良依(SLOW LABEL)
パフォーミングディレクター:金井ケイスケ
参加アーティスト:
池田美都、井上唯、さをり工房ゆう、武田久美子、坂東美佳、西岡弘治、藤原一毅、三角みづ紀、望月茂徳(立命館大学)、森田かずよ、ルフトツークほか
お問い合わせ: 象の鼻テラス TEL:045-661-0602  FAX: 045-661-0603
TPAM in Yokohama 2016提携事業

障害×パフォーミングアーツ特集 2016
こちら↓もあわせて、お楽しみください。

YCAM InterLab + 安藤洋子 
『Dividual Plays ディヴィジュアル・プレイズ – 身体の無意識とシステムとの対話』

日時:2月4日(木)19:30-、2月5日(金)13:30- /18:00-
会場:KAAT 神奈川芸術劇場 大スタジオ
料金:全席自由席(車いすスペースあり)
   前売・予約:3,000円 当日券:3,500円
   チケットかながわ TEL:0570-015-415 (10:00~18:00)

康本雅子/スズキユウリ 
『視覚障害 X ダンス X テクノロジー ”dialogue without vision”』

日時:2月7日(日)11:00- /15:15-、2月11日(金)12:30- /17:00-
会場:KAAT 神奈川芸術劇場 大スタジオ 
料金:入場無料/スタンディング(車いすスペースあり)/予約不要

シンポジウム:テクノロジーや障害がひらく新しいパフォーミングアーツの可能性

日時:2月11日(木・祝)10:00-(16:30頃終了予定)
会場:BankART Studio NYK
料金:入場無料/全席自由席(車いすスペースあり)/要予約
申込先:国際交流基金(ジャパンファウンデーション)
                     文化事業部 事業第1チーム   TEL:03-5369-6061 ファックス:03-5369-6038
                     Eメール:jftpamsympo@jpf.go.jp

上記3イベントのお問い合わせ: 国際交流基金文化事業部 TEL :  03-5369-6061