関内外OPEN!リレーコラムVol.3

Posted : 2013.11.08
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@みなとみらい

おでんと屋台がつなぐ、ゆるやかなコミュニティ

横浜でノガンを立ち上げた2010年4月、ずっと夢だった「おでん屋もやろう!」と思い立ちました。ちょうどその時募集していた黄金町のカフェ「Lcamp」の一日店長として、5月の毎週土曜日に間借り形式でおでん屋を開店することとなり、昼はデザイン、夜はおでん屋の活動が始まりました。 「どうせやるなら地元の食材をこだわって使ったら?」と、当時バンカートで働いていた方に言われ、色々な人に話を伺って調べていくと、近くに湧水があったり鰹節屋さんがあったり、電車で10分ほどの場所に採れたて野菜の直売所があったり、横浜にはたくさんの食材があることに気づかされました。この発見を見える化してお客さんに伝える『食べることを通して、つながりの輪が広がる「コミュニケーションおでん」』が誕生した瞬間です。 おでんってすごい許容量があって、混沌としたナベに探し出したどんな食材を放り込んでも、できあがるのはやっぱりおでん。さらに、他の鍋料理と違って「おでん下さい」じゃなくて、「ダイコン」とか「こんにゃく」とか素材単体で注文するじゃないですか。その度に、どこで誰によって作られたのか、どうして選んだのか、というストーリーを紹介していく。そして、説明を受けたお客さんが、またその隣の人に伝えていく。次の週、話を聞いたその友人が来店してくれる。おでんはゆったりゆったり人と人、人と土地をつないでいきました。

100508_noden_03おでんによるコミュニケーションの可能性を深掘りしていくうちに、場の形成についても研究したくなり「屋台が欲しい!」と叫び、僕たちは八王子まで軽トラックを走らせ、使われなくなった屋台を譲り受けました。屋台でおでんを売ろうと思ったのですが、規制があり路上での販売はできませんでした。それであればと、無料箱貸サービス「ノガンと屋台シェア」を始めたり、友人を呼び、みなとみらいの海辺まで屋台を引いてピクニックシートのようにひろげて一緒に食事したり、マルシェのディスプレイ、石川町のお祭りへの参加等、小規模のコミュニティ誘発空間と位置付け、社会実験を繰り返しました。nitehi worksさんに駐車していたのですが、時にはDJブースとして、時には串揚げ屋さんとして、イベント毎に活躍しました。

おでんと屋台が生みだした新たなプロジェクト

この2つのプロジェクトが教えてくれたことは、実はとても大きく、今のノガンの仕事に結びついています。 おでん屋プロジェクトは、食を通したコミュニケーションの可能性、ソーシャルグッドに気づかせてくれ、グリーンやサステナビリティをテーマにした飲み会「グリーンドリンクス横浜」や市民参加型ソーシャルアクション「おもいやりライト」、食べ物のブランディング、フードディレクションへと繋がっていきます。 屋台プロジェクトは、コミュニティを作ると同時に、それ自体を魅力的なものとして再定義することによるウッフィーの増加について気づかせてくれ、中華街のコンパクトオフィス「八〇〇中心」の立ち上げやワンウェイ型カーシェアリング「チョイモビ ヨコハマ」のローカルプロモーション、シェアハウス「SPH99」のプロモーションへと繋がっています。

横浜について知れば知るほど深いところに気づかせてくれる、だからこの街は面白いのだと思います。これからもその魅力をたくさんの人に伝えていけるよう、横浜での活動を続けていきたいと思います。

さて、このリレーコラムのバトンをお渡しするのは、ノガンが寿にオフィスを構えたとき、最初に遊びに来てくれて、横浜での活動のきっかけをたくさん作ってくれたひらがな商店街アートスペース「と」の今井さん。次回どうぞ宜しくお願いします。

kng_column_profile_rrNOGAN
横浜を拠点に、クリエイティブのチカラで社会や地域の課題解決を目指し、まちに笑顔が溢れるように活動するクリエイティブエージェンシーです。 物理的なデザインだけでなく、人と人をつなぎ、共感でモノゴトを伝えるオルタナティブ(代替)・コミュニケーションを実現していきます。 コミュニケーション計画、ブランディング、空間設計、デザイン、Web / SNS戦略等、広い守備領域でいろいろな課題に立ち向かいます!